敵国兵

A国が、敵国と戦争をしていた頃の話。

私はA国兵として、前線で戦っていた。

命令は単純で、「敵国兵を見つけたら皆殺しにせよ」である。

その命令通り私は敵国兵を何人も殺し、成果を挙げてきた。

しかし私は、ふとした隙を突かれて敵国兵に捕えられてしまった。

捕まった私は敵国の城まで連行され、牢へ入れられた。

私は牢の見張りが1人になった時を狙い、その見張りの兵を殺した。

そして服を奪い、それを身に着けることで脱獄に成功した。

敵国は甘い。

捕えた時点で私を殺していれば、このようなことは無かったのだ。

私が脱獄したことに気づいた兵は1人もいなかった。

だが、牢で1人の兵士が倒れているのが発見されるのも時間の問題だろう。

一刻も早く、私は城から遠ざかる必要がある。

私は急いでA国軍の前線を目指した。

あれから何日歩いただろうか。

食べる物もなく痩せこけ、髪を振り乱した姿は惨めであるに違いない。

私はこのままA国軍に合流すること無く、力尽きてしまうのだろうか。

そう思っていた矢先、遠くにA国の旗を見つけた。

私は喜び、その旗を目指して最後の力を振り絞り、走った。

これでやっと私は、A国軍の前線へ合流できるのだ。










意味がわかると怖い話
「敵国兵」
の解説・考察

imi
imi

この人は、『服を奪い、それを身に着けることで脱獄に成功した』とある通り、敵国兵の服を着ている。

A国は『敵国兵を見つけたら皆殺しにせよ』
と、敵国兵は発見次第殺すことになっている。

せっかく前線に着いたのだが、敵国兵の服を着ているため、どう見ても敵国兵に見えてしまうだろう・・・

普通
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