変な光景

「お待たせ。…あれ、どうしたの?」

「うん、ちょっと腱鞘炎ぎみなのよ、最近。」

「ふうん。仕事じゃ、しょうがないよね。

そうだ、さっき変な光景を見たよ。」

「どんな?」

「駅前に一人の男が立ってたんだけど、しばらくして、もう一人男がやってきてさ、いきなり派手に言い争いを始めたみたいなんだ。」

「『みたい』?」

「離れてたから良くわからなかったけど、二人とも、腕を振り回しながら興奮してしゃべってたよ。」

「そう。それから?」

「後から来た方が、自分と相手を指差して、いきなり右手の中指を上に突き上げたんだ。これはてっきり殴り合いになるかと思ったね。」

「まぁ。それでどうなったの?」

「ところが、二人は笑って、抱き合ったんだ。

涙なんか流したりして。感動の再会って感じだったよ。…どう思う?」

「…なるほどね。私、わかったわ。」

「え、どの辺で?…あ、そうか、君の職業と関係あるんだね。」

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意味がわかると怖い話
「変な光景」
の解説・考察

imi
imi

ふむふむ。

「中指を立てる仕草」はいわゆる「F◯UK YOU」ということで、よろしくないジェスチャーです。
けれども、なんと手話だと「お兄さん」を意味するジェスチャーなのです。意外でしょ?

ということは、語り手が見た不思議な光景は、全然不思議でもなんでもなくて、きっと涙ながらの兄弟の再会というかんじなんだろう。

そしてこの女性の職業とも関係があって、彼女は腱鞘炎だということはおそらく手話の通訳とかやっているのかもしれないね。

「意味がわかると怖い話」というよりは、ちょっとほんわかした不思議な話ということになるのかな。

-IMI-

簡単
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「変な光景」の解説・感想