とある少女の願い
とある病室に一人の少女がいた
その少女は、生まれつき病気をもっており、不治の病という
この不治の病のせいで少女は、ずっと病室で過ごしてきたのだ
そんな少女に一人のお星さまが現れたのだ
そして、お星さまはこう言った
「あなたの願いを叶えてさしあげましょう」
少女は答えた
「早く病気をなおして、早く楽になって、新しい友達たくさんつくって、たくさん遊びたい!!」
「かしこまりました………その願い叶えてさしあげましょう……」
−−その日から十日がたった
その日の翌日に何故か不治の病が治っていたのだ
そして、病室から出れた私はたくさん友達をつくることができた
そして、今現在に至る
でもね………おかしいなことがあるんだ
「私の友達は、すでに死んだ人達ばっかりなんだ…………」
不思議な能力
ニューヨークの地下鉄を私はよく利用する。
毎朝通勤の度に地下鉄構内で何やらぶつぶつ言ってる一人のホームレスの男がいた。
男の近くの壁に寄り掛かり内容を盗み聞きした。
目の前をおばさんが通る。すると男は
「豚」
と呟いた。
私は思った。なんだただの悪口か、動物に例えているだけか…。
次に普通のビジネスマンが通る。すると男は
「人」
あぁ、まさに普遍的人間って感じの人だな…。
別の日、暇潰しにまた盗み聞きしてみる。
男の目の前をやつれた男が通る。すると男は
「牛」
と呟いた。
牛?どちらかと言うと痩せた鳥だが…?
次に典型的な肥満の男が通る、すると男は
「野菜」
と呟いた。
野菜?豚の間違いだろ?
私は家に帰り考えた。
もしや、次に生まれ変わる生き物、すなわち転生を言い当てるのか!?
その後、何度もホームレスを観察しているうちに疑問も確信に変わった。
ある日思い切ってホームレスに疑問をぶつけ、能力を身につける方法を教えてくれと懇願した。
ホームレスは淀んだ目で私を見つめた後、私の頭に手をかざした。
次の日からホームレスはいなくなった。仙人だったのだろうか?はたまた神か?
私は能力を身につけた。
それは期待するものとは違っていた。
ただ単に、その人が直前に食べたものだった
私はあまりのくだらなさに笑ってしまった。
暗証番号
学生時代に住んでいたアパートの鍵はテンキーだったんだが、夜中の3時頃に部屋で漫画を読んでいたら突然ドアノブをがちゃがちゃする音が聞こえた。
ビビったけど鍵かけてるし大丈夫だと思っていたらピッピッと暗証番号を押す音が聞こえ血の気が引いた。
その当時テンキーの設定を変にいじってしまい、Eというパネルを押すだけでロックが解除される設定になってて、ドアの向こうにいる奴が適当にボタンを押している内にロックが解除されてしまった。
運よく普段めったにかけないチェーンをかけていたんだが、チェーンで開けられないにも関わらず、ドアを無理やり開けようと3分くらいガンガンやった後、静かになったので恐る恐るドアを開けて見たらもういなかった。
すぐに暗証番号の事情を知っている友人に連絡を取ったが、部屋には来ていないし深夜だったので怒られた。
そもそも普段から廊下を歩く音が余裕で聞こえるのに、そいつが去った時に聞こえるであろう足音が全く聞こえなかったのが怖かった。
嘘発見機
ある時、父さんが家にロボットを連れてきた。
そのロボットは特別で、ウソをついた人の顔をひっぱたくって言う物騒な代物らしい。
そんなある日…。
僕は学校から帰宅するのがかなり遅くなってしまった。すると父がこう尋ねてきた。
「どうしてこんなに遅くなったんだ?」
僕は答えた。
「今日は学校で補習授業があったんだよ」
すると驚いたことに、ロボットが急に飛び上がり、僕の顔をひっぱたいた。
父は言った。
「いいか、このロボットはウソを感知して、ウソついた者の顔をひっぱたくのさ。さあ、正直に言いなさい」
そして父がもう一度聞いてきた。
「どうして遅くなったんだ?」
僕は本当のことを言うことにした。
「映画を見に行ってたんだ」
父はさらに聞いてきた。
「なんの映画なんだ?」
「十戒だよ」
これに反応して、ロボットがまた僕の顔をひっぱたいた。
「ごめんなさい…父さん。実を言うと『Sexクイーン』ってのを見てたんだ」
「何て低俗な映画を見てるんだ、恥を知れ!
いいか、父さんがお前くらいの頃は、
そんな映画を見たり態度が悪かったことなんて無かったんだぞ」
するとロボットはきつい一発を父に食らわせた。
それを聞いていた母が、キッチンから顔を覗かせるとこう言った。
「さすが親子ね、あなたの子だけあるわ」
母も顔をひっぱたかれた。
音のない世界
さっき、2万4千円のヘッドホンが突然壊れた。
音楽を大音量で聴き過ぎたせいか、いきなりプチッと音が出なくなった。
俺はムカついて思わずわざとテレビを床に落とした。
ズドンとテレビが床に落ちた振動を感じて俺はふと我に返った。
何やってんだ俺は。このテレビは15万もしたじゃないか。
たまたま落とした場所には布団が敷いてあって、落ちた振動は多少あったが落ちた音は全くしなかった。
たぶん壊れていないだろうと思いながらテレビの電源を入れてみた。
映像は普通に映るのだが、音が全く出なくなっていた。
最悪だ。15万円のテレビまで壊れてしまった。
それにしても今日は外が不思議なくらいに静かだ・・・
気晴らしにちょっと散歩にでも行ってみようかなぁ。
バスを降りなければ・・・
ある家族が妻の実家に遊びに行くために田舎までのバスに乗っていた。
山のふもとあたりまできたときに、子供が「おなかへった」とだだをこね始めたので、
しょうがなく途中のバス停で降りて近くの定食屋で食事をすることにした。
食事が終わり定食屋に設置されているテレビをふと見ると、
さっきまで家族が乗っていたバスが落石事故で乗員全員死亡というニュースが流れていた。
そのニュースを見た妻は、「あのバスを降りなければよかった…」と呟いた。
それを聞いた夫は、「何を馬鹿なことを言っているんだ!」と怒鳴ったが、
すぐに「あぁ、なるほど。確かに降りなければよかった…」と妻の意図に気づく。
息子の妙な癖
俺の息子は、時々、(写真でも、画像でも)人の顔をじっと指さすという、妙な癖があった。
指をさされた人物が必ず3日以内に死ぬ、と言うことを知ったのは、つい最近のことだ。
今日も、テレビをつけようとしたとき、息子は、じっと画面を指さしていた。
点いたテレビには、大物議員の姿が。
へえ、こいつも死ぬのか。
アパートの壁
この前大学に通うために地方へ行った友達から電話がかかってきた。
結構夜遅い時間だったけど、
久しぶりの電話だから寝るまでの時間大いに盛り上がった。
ただ、そいつの話で一つ気になる事があった。
隣に住んでる奴がオカシイらしい。
朝会っても挨拶もしないし何より臭い。
頭はボサボサ、服はボロボロでどうみても風呂に入ってなさそうな格好らしい。
行動もおかくて、カラスを捕まえて殺したり、
猫の尻尾を切ったりと近所でも有名な基地外とのこと。
またそのアパートの壁が薄くて、
夜中ゴソゴソ何かをしている音がいつも聞こえると言っていた。
まだ実害が無いから今の所は心配無いと言ってたけど、
気持ち悪いから機会があったらすぐ引っ越したいんだとさ。
その後、友達が殺されたのは言うまでもない。
不審な日記
1904年8月のことだ。
私は自宅で不審な日記を見つけた。
我が家は、6年前結婚してすぐに妻と選んで購入した中古住宅だ。
妻と二人の娘は一昨年の船旅中の事故により他界。
二人の愛娘は後日別々の場所に打ち上げられたが、結局は還ってこなかった。
先日、改築のため大工を呼ぶと、妻の部屋の天井裏から日記が出てきたと手渡された。
その日記は間違いなく妻の字で書かれていた。
日記の内容はこうだ。
−
7/15:今日から私と貴方の生活が始まりますね
(私と妻の結婚記念日だ)
9/21:貴方のために今の私が作られました。
12/9:それでも私は貴方を放さない。
2/23:もうすぐです。
2/29:理解して頂けましたか?
−
私は恐怖のあまり、遠い街へと引っ越した。
来月結婚を控えている
俺は来月結婚を控えている。相手は3つ年下の仕事で知り合った梨絵
梨絵が26で俺が29の時から付き合って4年か…
自慢はなんだが梨絵は本当に美人なんだ
女性経験がほとんどないくせに面食いな俺だったが
大きな目、鼻筋が真っ直ぐで高い綺麗な鼻、小顔、華奢。
ほぼ全て完璧といってよい条件だろう。
性格か?性格は明るく上品。
しかも26まで男性経験がなかったらしく今どき珍しい純な子だ
こんな可愛いのなら男の一人や二人よってきて当たり前だろうしな
ただ最近彼女が悲しそうというかなんというか、なにか隠し事をしてる
そんなような表情を浮かべるようになった。
思いあたるふしはあったんだがな
梨絵の友達に聞いたんだが18のときに親とだいぶ揉めたらしいんだよ
彼女の目の辺りと鼻の辺りに傷があってさ、それ親からやられたんじゃ?
と最近思っているんだ。時期も同じ時だし傷の事聞いたらそんな顔したし、
トラウマになってるのかな?きっと18歳の頃、親に暴力受けて…なんてさ
でも、トラウマなら絶対忘れてやれるよう努力する
もう旦那だし梨絵を絶対幸せにしようと思う。
勝負
私はあるヤクザと勝負している。
3本の柱A、B、Cがあり、柱Aにある64枚の円盤(上から下で順に大きい)を1枚ずつ柱Bを中継点にして柱Cに移動させる。ただし、どの柱でも上の円盤の方が小さくなければならない。
ヤクザ「このゲームを24時間以内にクリア出来れば、1000万やろう。但し失敗した場合は解体ショーのゲストになって貰う」
こんな簡単なゲームで1000万は、美味しいよな(笑)
停電と女
風呂上がり、わたしはくつろぎながら髪を乾かそうと思い
ドライヤーを部屋に持って行き、ソファーに座り、テレビをつけた。
すると怖い番組でもやっていたのか、血だらけの女の人が映った。
その瞬間、部屋は真っ暗になり停電になった。
私はテレビの光をたよりにテレビの光をたよりにブレーカーを直しに行った。
同棲していた男
昔物凄く年上の男と同棲して3ヵ月後。
その男が逮捕され私も警察に呼ばれ事情を聞かれた。
警察では好きなものを取っていいよとそばやのメニューを見せられ
天ぷらうどんをご馳走してもらった。
冷たいものを飲みたいと言ったら水が出てくると思ったがカンのお茶をくれた。
警察は「彼はしばらく出てこれないと思うよ」と。
聞けば彼は前科14犯だった。
飲酒運転で捕まった過去は知っていたが・・。
最後に普通の車で家まで送ってくれた。
彼が拘置所に移されたあと警察官が二人で心配して様子を見に来てくれた。
玄関を開けた時の最初の一言が「おお!生きてるか!?」だった。
警察は思ったよりも優しい人ばかりだったなあ。
宝石
ある所に、Aさんという女性がおりました。
Aさんはある日、鬱蒼とした森で、綺麗な宝石が売られていたのでつい、買ってしまいました。
ところが、その日からAさんは、具合が悪くなってしまいました。
何かがおかしいと感じたAさんは、その道に詳しいベテランに相談しました。
ベテランは言いました。
「それは例の迷惑な魔物が大事にしていた宝石だよ。それには呪いがかかってるんだ。所有者をどんどん不幸にして、あげくの果てには命を奪ってしまう、というとんでもない呪いだよ。」
「なんですって!早く、他人になすりつけなくては!」
Aさんは最悪なことを考えて、親友のBさんの家に急ぎました。
そして、Bさんと世間話しをしながら、Bさんが目をそらした隙に、こっそりタンスの奥にその宝石を忍ばせてきました。
…数日後。
Bさんは、タンスの中に見慣れない綺麗な石を見つけたので、きっとこれは綺麗なもの好きのCさんが忘れていったものだと勘違いし、
Cさんに合った際に、親切心から、Cさんの鞄の中に入れてきました。
さて、Cさんは鞄に見慣れない宝石が入っていたので、怖くて近所の川に捨てました。
………それからだいぶ経ちました。
結局、呪いをまともに受けたのは誰だったのでしょうか。
一家惨殺事件
ある地区で一家惨殺事件が起こった
その家に住む両親とその息子が殺害されたようだ
妹(9)はちょうど出かけていてその悪の毒牙からは逃れれたらしい
警察が遺体を調べると父親がダイイングメッセージを残している。
「3」と「564」警察は首を捻った
そしてその家族の親戚も全員殺されたようだ
一気に身寄りのなくなった女の子、警察が事態が落ち着くまで世話をするという
しばらくして近所の無職(34)の男が逮捕された
男は何もしらない、俺は俺の家から一歩も出ていない、と供述している
女の子は怖がっている
警察官は女の子を勇気づけようとそっとささやくように話しかけた
「心配しないで、奈々ちゃん このいやな事件もすぐ終わるから。お父さんとお母さん、お兄ちゃんのかたきは必ずとるから!」
警察官はそう女の子に告げ椅子180度向きを変えた
女の子は嬉しいのか笑っていた
敵のアジト
俺とAは任務で敵のアジトに潜入していた
俺は地上3階、Aは地下3階でそれぞれ作業をしていた
任務は順調に思えたが、上司から即時撤退の指示が出た
潜入は敵にばれていて爆弾が仕掛けられていたらしい
急いで出口に向かう、転げ落ちそうになりながら階段を降りていく
Aは大丈夫だろうかと考えたが奴は足の速さだけは凄かった
階段を下る俺と階段を登るアイツで同じ速度だったし心配はいらないだろう
俺が脱出すると同時に建物は爆発した
爆発の衝撃で俺は少しの間、意識を失っていたようだ
Aは無事だろうかと辺りを見渡すと少し離れたところに居やがった
Aが手招きをしている、何か言ってるようだが爆発の影響か聞こえない
まぁ、助かったんだ任務は成功とは言えないが二人で酒を飲みに行こう
息子に届いた手紙
精神病棟にいる母親から、息子に届いた手紙らしい。
↓
大介、イタリアの生活はどうですか。お母さんはフツウ。
守護神ジス様のおかげで、元気です。お医者をだまして何でも食べちゃう。
隣人達めケッコウ気さくでいい人ばかり。安心しれ。明日は仕事で、皆
船が来るて、喜んどる。毎日楽しいです。給料でるし飯も固くない。
ね、ね!!病棟生活だからって悪いことないわ、わりと私にはいい老後です。じゃね。
妹
12/15
さて、何を書くものか。
誰かに見せるわけでもないが、何となく最初は自己紹介。
両親を墜落事故で亡くした俺は去年から妹と二人暮らし…だったのだが、
その妹は今年の春から留学中。
帰ってくるのは3月だ。
というわけで今年の冬は一人で生活。
暇だから日記でも書いてみる。
ちなみにこれは妹が去年のクリスマスにくれたノート。
ツリーの絵が描いてある。
ん…意外と書くこと無いな。
今日はもう寝ることにする。
妹、おやすみ。
12/16
ペンは持ってみたものの書くことが無い。
妹との思い出を書こうとしても、なかなか手が動かない。
本当に俺って妹がいないと何もできないんだな。
妹に会いたい。
12/17
今日は友達に合コンに誘われた。
なんでもクリスマスに合コンをやるらしい。
妹に言ったら怒るだろうか?
12/18
ふと俺を叱る妹の顔が頭に浮かんだ。
「もう、お兄ちゃんったら!しっかりしてよね!」
ってまた言って欲しい。
絶対に言ってくれないけど。
12/20
妹に去年のクリスマスにあげたプレゼント。今は俺が大事に使ってます。
そういえば今年は妹にプレゼント買わないからお金が結構あまってるな。
はぁ…妹に会いたい。
12/21
妹に会いたい。正月には帰って来ないらしいから会うのは3ヶ月以上先か。
お金たまったしアメリカ行きてぇなぁ。
12/22
妹に会いたい。
妹に会いたい。
妹に会いたい。
妹に会いたい。
妹に会いたい。
12/23
妹から電話が来た!!! 送り主不明の人からクリスマスプレゼントが届いたって驚いてた(笑)
サプライズとかお兄ちゃんさすが。
12/24
決めた!おにいちゃん妹のところに行きます!俺、妹がいないと無理だ。ということでこれが最後の日記です。それでは!
12/25
メリークリスマス!妹から電話が来た。クリスマスパーティをやったんだそうだ。そして妹は急遽、日本に帰宅するらしい。
あやうく俺がアメリカに行くところだった。
妹はお年玉がそんなに欲しいのか?(笑)それとも俺に会いたくなったか?
かわいいやつだ。お年玉たくさん用意して待ってるからな。
12/27
…信じられないことがおきた。日本に向かう飛行機が墜落したそうだ。
死体が握り締めていた俺からのプレゼントの財布の中身で身元が判明したらしい。
二日おきに書いてきた日記も今日で最後にする。
ページはまだ残っているから悲しみから立ち直ることができたら、来年の12月に妹との想い出でもつづろうと思います。
凄い勢いで駆け抜けた子供
3日前の夜中の話。
飲みに行った帰り道、メチャメチヤ寒くてさ
家の近所の自販機で温かい茶を買ってたの。
そしたら右にある交差点を子供が凄い勢いで駆け抜けた。
『こんなに寒いのに・・・』
と思いながら茶飲んで歩くと女の人が近寄ってきて
『息子見ませんでした?』
と聞いてきた。
眠いし、寒いし面倒臭いから
見てない事にして帰宅して寝たんだけど。
翌日驚いたね、
俺が見た子供の母親が自宅で刺されて重体なんだって。
近所の煙草屋が言ってたわ。
新聞には載らなかったから詳しく解らないけど
発見者が子供で警察まで走って行ったみたい。
俺助けてあげられたのかも・・・。
会話を再開して下さい。
最初の1人が退場させられると、円卓を囲んでいた彼の椅子もすぐさま片付けられ、4人になった僕たちの頭上からまた放送の声が流れる。
『会話を再開して下さい。』
「…いつまでこんなことやらせんだよ!?」
最年長と見えるひげ面の男が叫んだ。
『予定では最後の一人になるまで続けさせていただくつもりです。では、はじめ。』
しばしの沈黙の後、僕の隣の眼鏡を掛けた男が言った。
「めちゃくちゃだ」
「誰だってそう思ってますよ」
僕は頷いた。
「世の中何が起こるか解らないって言うけど、こんな…」
若い神経質そうな女が爪を噛みながら呟く。
「何も、俺たちじゃなくたって良いだろう!?」
またひげ面が叫んだ。
「うるさいな!」
眼鏡が怒鳴る。
「みんなそう思ってんだよ!」
「よ、よして下さい!」
女が立ち上がり、必死に取り繕った笑顔で取りなした。
「いつまでもこんなことやってられっかよ!!」
眼鏡は頭をかきむしった。
ひげ面が僕の方を睨み付ける。
「よぉ兄ちゃん、ずいぶん静かじゃねえか」
「彼は、」
眼鏡も冷ややかな視線を僕に向けてくる。
「なるべく余計なことを言わないようにして、私たちが脱落するのを待ってるんです」
釈明しようとしたが、何を言っても火に油を注ぐだけの気がした。
「…すいません」
気づいたのは頭を下げた後だった。
血の気が引いていくのが解った。
最初の時と同じブザーが部屋に鳴り響く。
「い、いや!今のは…」
僕はスピーカーに向かって叫んだ。
引きずられながら僕が最後に見たのは、他の3人の同情と安堵の入り交じった笑みだった。
最初の男を見送りながら、自分もあんな顔をしていたのかなと僕は思った。
『はい、会話を再開して下さい。』
ゴミ屋敷
ゴミ屋敷ってあちこちにあるよね?実は俺も、ゴミ屋敷の住人の一人だったんだ。
俺の場合きっかけは、ひとつの粗大ゴミ。その上に、集めてきたゴミをどんどん積み上げていったんだ
周囲の人が不審に思い騒ぎ出したのが、集め始めて2ヶ月ぐらいかな?その頃には、もう部屋はゴミで埋まってた。
そのうち猛烈な悪臭を放ちだした。当然誰も近寄ってすらこない。
町内会から時々苦情言いに来るけ、ど外で怒鳴ってるだけ。
そうすると今度は、TVのレポーターがやって来たりする。
近所の奴は取材に応えて、好き勝手言いやがる。
やれ借金まみれで自暴自棄になってるだの、奥さんに逃げられてからおかしくなっただの・・・
誰も俺の気持ちなんかわからないくせに。
騒ぎが大きくなって全国に注目されてきたころ、一つの事件がおきる。そう、俺の家が火事になる
俺は外出してるから無事なんだけど、家はもう跡形もなく燃えてしまう。
ゴミが腐敗して自然発火とか、放火されたとかいわれるけど、まともに現場検証すらしてもらえない。
まあ俺は嫌われ者で、ゴミだらけだったんだからしょうがないし・・・むしろ都合がいい
ゴミ屋敷が燃えたことをきっかけに俺は他所へ行って、小さなアパートでも借りて普通に暮らしていく。
第二の人生っていうのかな?
もちろん、もうゴミなんか集める気もないし必要も無い。
俺とユウキとアズ
俺とユウキとアズの3人は小さい頃からの幼馴染だ。
3人の親の仲が良かったので家族ぐるみでの付き合いをしていた。
俺達が中学2年生の時アズの母親が交通事故で亡くなった。
アズとアズのおじちゃんはとても泣いていた。
暫くするとアズはアズのおじちゃんの実家に引っ越していった。
それから1年位たった頃、アズから俺とユウキ宛に手紙が届いた。
【俺とユウキへ】
たのしい季節もあっという間に過ぎますね、私は元気です。
けれど、こっちの生活にも慣れないといけなくて・・・
ちょっと大変、そういえばあの秘密きち!
にんげんが3人入れたよね、あとねこ!
ロックって名前だったね、ちっちゃくてさ。
れんらくあんまり取れなくてゴメンね、またおくる。
PS;ちなみにこの手紙は父と一緒に書いてます。
また会いたいなぁ
アズ
手紙を読み終わったあと、ユウキが疑問有り気な顔で もう一度手紙を見せてくれと言った。
手紙を渡すと、食い入るように読み「やばい・・・」
と言った、俺ももう一度手紙を読み、理解した。
すぐに両親に事情を話し急いでアズの元へ向かった。
とあるひき逃げ
去年、友人の妹が車にはねられて死んだ。ひき逃げだった。
犯人はまだ捕まっていない。
その悲しみせいか、去年の誕生日に友人は祝ってくれなかった。
今日の誕生日、友人は久し振りの笑顔を見せた。
そして、誕生日プレゼントがあると言われた。
「直接渡すのは恥ずかしい。紙に書いておくから、俺が帰ってから探してくれ。」
と言われた。
友人が帰ったら、俺はプレゼントを探しはじめた。
すると、友人が置いていったのか紙に、調味料の棚の、お酢の上の段の布の中にある。
と書かれていた。
自分はすぐにそこに行って確かめた。
あの友人が何をくれるのか楽しみだった。
布と一緒においてあった紙には、腐る前に食べてくれ。
と書かれていた。
布の中には俺の大好きなぼた餅がくるまれていた。
まだ食べていないがとても美味しそうだ。
友人には何を返そうかな。
ごめんな
ドンッドン!
友「本当に、本当にごめんな・・・。」
俺「おいやめろって!」
友「妹が・・妹が病気で・・金がいるんだ!」
俺「大丈夫か?気をしっかり持てよ・・・。」
友「・・・ありがとう・・・」
俺「に・・いや、10万でよかったら貸してやるよ」
友「本当にありがとう・・あと、その・・なんていうか・・」
俺「ほら、晩飯の残りで良かったら食ってけよ」
友「ありがとう・・」
俺「・・なに言ってんだよ。それに、俺たち親友だろ?」
友「実は自殺しようと思ってて・・お前がいなかったらもう・・」
俺「そんなに気にすんなよ」
友「こんな夜中にごめんな」
お砂遊び
「坊や、お砂遊びは終わってもう家に帰りましょう」
「やだやい、ママだって昨日パパとお砂遊びしてたじゃないか」
「あらやだ見てたのね
それじゃあ今夜は坊やとお砂遊びをしなきゃ」
かぶとむし
会社から帰宅してきてポストを開けると、紙切れが一枚入っていた。
そこには殴り書きの汚い字で何か書かれていた
文字はかすれていたが、何とか判読する事が出来た。
「か ぶ と む し」
…??
意味がさっぱりわからないが、
近所の子供の悪戯だろうと対して気にも止めなかった。
風呂から上がり、缶ビールを開けて至福の一時…!
…のはずが、…ぬるい!
どうやら、とうとうボロ冷蔵庫め!ブッ壊れやがったか。
常温のビールなど飲めたもんじゃない!
…私はブツブツ独り言を吐きながらも、
仕様がないので今からコンビニに行くかどうか迷った。
…が、風呂あがりで出かけるのも面倒臭い。
時計を見ると午後10時。
…妻は、残業で帰りが遅くなる旨のメールが先程あったばかりだが、
もしかするとそろそろ帰ってくるかもしれない!
…そんな淡い期待を込めて、妻のケータイにかけてみた。
聞き慣れた着メロが、キッチンの方から聞こえた。
でどでんこめんさん
オランダといえば、うちの田舎にこんな伝承がある。
でどでんこめんさん。
昔、江戸時代にうちの田舎に
「でどでんこめんさん」って言う鬼?が現れたらしい。
大きくて肌が赤くて異様な服を着てたらしい。
で、「でどでんこめん、でどでんこめん」
って繰り返すもんだからそう呼ばれたらしい。
でどでんこめんさんは鬼なのに怖がりで、
いつも震えていたから庄屋さんが蔵にかくまってあげたらしいけど、
結局、海から仲間が来て怖がるでどでんこめんさんをつれて帰ったらしい。
って言う話なんだが、
これって鎖国時代に出島から逃げ出したオランダ人の話かな?
心霊スポット
ある日彼女と二人でで心霊スポットに行った。
地元の心霊スポットなんだけど、
その心霊スポットは旧トンネル何だけど昔戦争で沢山の人が死んだ所なんだって。
その日は凄い雨だったんだけど何とかついた。
大粒の雨がボーンネットに落ちて隣に座ってる彼女の声も聞こえないぐらい。
トンネル内に入ったんだけど何も出る気配なくただ雨の音がうるさいだけ。
彼女の事ちょくちょく心配して見てたけどうずくまって顔をあげようとしない(笑)
どんだけこわがってんのよ(笑)
でも彼女が「止まって、一緒に車から降りよ?」って言ったときはちょっと焦ったね(笑)
俺の心の準備ができてなかったから(笑)
みんな寝たまま
ある村で少女が言った。
「大変、みんな寝たままなの。」
確かに周囲の民家を調べてみると、村人全員まだ昼間だというのに寝ていた。
老若男女村人全員が寝ているのだ。不思議に思った私は少女に尋ねた。
「何でお嬢ちゃんは起きているの?」
少女は答えた
「だって私の髪は長いもの」
私はしばらく考えた、なるほど、そういうことだったのか。
成仏しちゃった?
友達と二人で話してたら、
久しぶりに心霊写真を撮ってみたいと誰かが言い出したので、
近くの山道に惨殺事件があってからも
未だに取り壊されず残されてた民家があるので夜中に行ってみた。
玄関から居間、風呂場とトイレ、キッチンに父親の部屋、階段から二階へ行き、
子供部屋からベランダ、母親の部屋、階段を降りて一階へ。
最後に家をバックに一人ずつ。片っ端から写真撮って帰った。
んで今日。出来上がった写真を見て俺達は驚いた。
何も写ってないのだ。
もちろん俺達は普通に写ってる。霊的な物が何も写ってなかったのだ。
「・・おかしくね?」
「もう成仏しちゃったとか、じゃねぇかな?」
「やっぱそうなのかな。じゃあ、あそこ行ってももう心霊写真撮れないって事か。無駄だったなぁ」
「そうでもないよ。行く途中に結構周りから孤立してる民家、一軒あるから。次はそこ行こうぜ」
「おぉ!マジで?そこも廃墟?」
「んな訳ねぇじゃん。普通に人住んでたよ。今日の夜行こうぜ」
「おっけ、分かった。今の内に適当に準備しとくわ」
楽しみだ。かなり久しぶりだから何かワクワクする
2時22分22秒
うちの地方では
2時22分22秒に鏡を見ると
自分の死に顔が見れるという話があるんだ
俺は試してみた
恐る恐る小さな手鏡で見たわけよ
でも何も映ってない
おや、と思って目を鏡に近づけたが映ってるのは後ろの壁だけ
やっぱり噂なんてでたらめだらけ びびって損したぜ
完全自殺マニュアル
俺の友人に東京消防庁の消防士と地元交番の警察官がいて、お互いにとても仲が良い。
そんな友人達の話なんだがこのまえ久し振りに会って居酒屋で三人で飲んだんだ
消防
「この前現場があってさ、親子が三人仲良く川の字になって黒コゲで死んでんだよ。
良く火事になったら落ち着いて逃げましょう、なんて言うだろ?それは不可能なんだよね、
ガス吸うとまず体が動かなくなるわけ、意識のある中でジワジワと焼かれていくんだ。
だからきっついんだろうな・・・」
警察
「署で聞いたな、その事件放火じゃなかった?
ひでー事しやがる。最近俺も仕事で行ったよ現場。
駐車場で練炭自殺があってさ。
マジやっぱりおっかねえ、練炭なら苦しくないなんてのは大嘘らしい、顔が変だったもの」
俺
「少し前硫化水素なんてのも流行ったな」
消防
「あれも駄目、あっさり死ねるなんて大嘘、ガスマスクしてないと不味い
実際緑色に顔変色して苦しみもがいて死ぬから」
警察
「それも聞いたな、ここらで流行ってるよな最近
まあ確実なのはやっぱり縄で首吊りだな
それも誰にも発見されないように樹海で」
俺
「こえー話すんなよ、まるで完全自殺マニュアルみたいじゃねーか」
消防
「馬鹿言うなよ(笑)」
そして別れたあと、警察の友人から電話がかかってきた
「おい今日の話は誰にも言うな」
結構真剣な口調だった、いきなりの事でで全く意味が分からない
それが何だか怖かった
麻酔
歯医者に行って麻酔を打ってもらった。
麻酔が切れるまで何も食べてはいけないと言われた。
飲みに誘われて、焼肉に行ったが自分一人だけ食べないのはいささか惨めだ。
一枚だけ食べてみた。
何ともなかった。
もう大丈夫だろうと思いそのまま食べ続けた。
その中でどうしても噛み切れないのがあった。
5分後激痛が走った。
アパートのドア
俺が住んでいるアパートのドアは立て付けが悪い。
バネの部分が壊れ、音もなく閉まる。
ある日の0時過ぎ、俺はそろそろ寝ようと思い、 電気を消し、布団の中に潜った。
俺はあまり寝付きが良い方ではなく、 布団に入って眠りに落ちるまでだいたい30分はかかる。
その間何度も寝返りをうった。
目覚ましの時計の針の音が耳に障る。
うとうとしかけた時、外でこつこつとハイヒールの音がした。
距離にして俺の部屋ふきんで止まった。
その後、ノブをゆっくりまわす音が聴こえた。
深夜ということで他の住人に配慮したのだろう。
今日の夜は本当に空気が澄んでるのか、よく音が通る。
虫の小さな鳴き声までよく聴こえてくるのだから。
その音色を聴いて思い出した。
玄関先にある庭の草がぼうぼうだ。
今度管理人にいって刈ってもらおう。
「住人が帰ってきたんだな。こんな遅くまでご苦労なこった」 うとうとしていた所を邪魔され少しばかりイラっとしたが、 俺は再び眠りにつくよう努めた。
それから数分ぐらい経っただろうか。
またノブをゆっくりまわす音が聴こえた。
「こんな時間にまたどこか行くのか?」 まあ俺にはどうでもいい事だ。
明日も早いし、さっさと寝よう。
それから俺は身じろぎ一つせず、 布団の中でどうすべきか考えていた・・。
時計の針の音が恐怖心をさらに煽る。
背の小さいばあちゃん
俺が去年某洋楽バンドのライブに行った時の帰りの話。
俺と友達二人(仮にA・Bとする)の計三人で行って、
ライブ終了後、テンション最高潮で帰ってたんだよ。
そしたらAが後ろから誰かに肩を叩かれたんだ。
振り返ると、80才くらいの背の小さい腰の曲がったばあちゃんが立ってたんだよ。
なにかな、道に迷ったりでもしたのかな?
とか色々思いを巡らしてたら、そのばあちゃんはこう言った。
「私、死にそうに見えます?」って。
一瞬「は?」ってなったんだが
なんかばあちゃんの目が虚ろで
すごく怖くなって返事もしないでその場を去ったんだ。
しばらく歩いてから、みんなで
俺「怖っ何あれwww」
B「お化けかと思ったぜwww」
A「俺、肩叩かれた時、逆ナンかと思ったぜwww」
俺・B「ねーよwww」
とか半ば笑い話的に話をしてたんだよ。
だけど、話してる途中で気付いちゃったんだよ。
さっきの一言で気付いちゃったんだよ。
集合写真
ある中学校に仲良し五人組の女生徒がいた。
五人は休み時間も、お昼休みも、帰宅後もいつも一緒に遊んでいた。
皆で友情を誓い合ったりもした。
しかし、いつもリーダーシップを取っている生徒が、自己中だとか自分勝手だと
他の四人に陰口を叩かれるようになった。
しだいにそれはエスカレートしていき、彼女を自殺に追い込んだ。
四人もそんなことになるとは思っておらず、動揺しだした。
暗い気持ちになったのか一人の生徒が、今度の休みに四人でどこか静かな所でも
行こうよ、と言い出した。誰も反対はしなかった。
四人は山に出かけた。周囲には人が全くいない、壮大な景色だけが広がっていた。
四人は来る途中のコンビニで買ったインスタントカメラで、写真を思い出として残した。
数日後、一人の生徒が現像した写真を持ってやってきた。
よく取れている写真に四人はわきあいあいと盛り上がっていた。
一人の生徒が「この写真よく撮れてるね」と一枚の写真を手に取った。
そこには山の景色をバックに四人が楽しそうに笑っている写真があった。
サウナ
銭湯に行った。
あがる前にサウナで一汗かくのが俺の日課だ。
俺が入って1分くらいで、男が1人入って来た。
勝負だ。コイツが出るまで俺は出ない。
これも日課だ。
10分経過。相手の男は軽く100キロはありそうなデブだった。
15分経過。滝のような汗を流してるくせに、頑張るじゃないか、デブめ。
18分経過。ついにデブが動いた。今にも倒れそうな程フラフラになりながらサウナを出ていく。
俺の勝ちだ!!俺はサウナルームの真ん中でガッツポーズをとった。
目を覚ますと俺は見慣れない部屋にいた。
どこかで見たようなオッサンが覗きこんでくる。
番台にいたオッサンだ。オッサンは言った。
「私が点検に行ったら君が倒れてたんだよ。
ドアにもたれかかるようにして失神していた」
どうやら熱中症を起こしたらしい。
少し頑張り過ぎたか。オッサンはやれやれとばかりに
「君を運ぶのはまったく骨が折れたよ。今度からは気を付けてくれよ」
俺はオッサンにお礼を言って帰った。ビールでも飲んで寝るとしよう。
留守電
6月の終わり頃、アパート暮らしの大学生が、腐乱死体の状態で発見されました。
兄の勝巳さんが呼ばれ、身元確認に続いて、留守電のメッセージが再生されました。
3月14日-母親から 思い出話、途中で切れる。
3月16日-友人から 旅行の誘い。
3月21日-父親から 祖父が会いたがってる旨。
4月25日-友人から 大学に顔を出せと。
5月1日-母親から 勝巳に連絡しろと。
そこでテープが終わり、
「ご両親からの電話はいつも深夜2時過ぎですな」と
刑事がつぶやくと、勝巳さんがうなずいてから言いました。
「両親は、僕らが小さい頃に死にました・・・」
アトリエ
10年程前の話。
美術の教師をしていた姉がアトリエ用に2DKのボロアパートを借りた。
その部屋で暮らしているわけではなく、絵を描くためだけに借りたアパート。
せっかく借りてるのに住まないなんてもったいない!
そう思った私は姉に頼み込んでその部屋で一人暮らしをさせてもらうことにした。
一人暮らし初日。わくわくしながらアトリエに帰宅。
くれぐれも戸締りに気をつけるようにと言われていたため帰ってすぐに玄関に鍵とチェーンをかけた。
その後夕飯を作ったり本を読んだりして楽しく一人の時間は過ぎていく。
気付くともう夜も更けていたため、もう一度戸締りをチェック、ガスの元栓も締め眠りについた。
しばらくして、多分夜中の2〜3時だったと思う。玄関がガチャっと開いた。
どうやら姉が絵を描きに来たらしい。
こんな時間に頑張るなあと、ウトウトしながら思っていると、私が寝ている隣の部屋に入っていった。
隣の部屋は画材やらキャンバスやら置いてある部屋。
そこで、姉はブツブツ言ったりクスクス笑ったりしてる。
うーん、やっぱり芸術家と怪しい人って紙一重だよなぁ、と、酷い事wを思いながらいつの間にか寝てしまった。
朝、目が覚めると姉はもう帰ったようで居なかった。
姉の絵に対する情熱は尊敬に値するよなぁ、と思いつつ出掛ける準備をして家を出る。
玄関の鍵を閉めた時に、突然恐怖に襲われた。
それ以来、私がそのアトリエに足を踏み入れることはなかった。
着信履歴
間違えて携帯を階段に落としてしまった
結構古かったから折りたたむ部分で真っ二つに割れた
着信履歴が2件あったから、誰からの電話だったか気になる
一週間後に新しい携帯を買ったから、とりあえず電話帳に登録している人に片っ端から確認して見た
でもその時間に誰も俺に電話した人はいなくて、結局ワン切りとかそういう類のモンだったんだろう
次の日、友達からメールが来た
内容は「明日ヒマ?一緒に映画見に行かない?」
次の日はヒマだったから迷い無く映画見に行くことにしたんだけど、
返信した瞬間、携帯に電話がかかってきた
「そういうことか……」
一人で呟いたけど、気づくのが遅すぎた
落ちる駅
終電車の中で眠ってしまい目を覚ますと、
見知らぬ女性が俺の肩に頭を乗せてもたれかかるように眠っていた。
見ると黒髪ロングでかなりかわいい。
貞子とかの不気味な黒髪じゃなく、綺麗な感じ。
正直言って悪い気はしなかったので、しばらくそのまま乗っていた。
俺の降りる駅はまだ先なので大丈夫だろう。
二駅、三駅を過ぎ車両には俺と、俺にもたれて寝ている女性の二人だけになった。
彼女はどこで降りるんだろう、起こしてあげた方がいいかな……そう思った俺が体を動かしかけると、
「動かないで……」
と、目を閉じ頭を肩に乗せたまま女性が言った。
さらに続けて、
「もう少しこのままでいたいな……」
って。初対面の人に言われて不思議だったけど、女の子にそんなこと言われて理由を聞くほど俺は野暮じゃない。
黙って肩を貸してやった。
でもさすがに自分の降りる駅が近づくと心配になってきてさ、とりあえず「どの駅で降りるの?」と聞いてみた。
すると「落ちる駅?」と返してくる。
「違うよ、落ちる駅じゃなくて降りる駅」
「降りる駅が落ちる駅だよ」
また意味不明な答え。
さらに彼女は「貴方の降りる駅が、私の落ちる駅」と続けた。
ひょっとして、自殺でもするんじゃないかと思ってさ。
この娘は俺の降りた駅で飛び降り自殺をするんじゃないだろうか?
どうしても気になったので、彼女に「落ちちゃいけないよ」と言ってみた。
すると彼女は「貴方が降りたら私は落ちる」と脅迫めいたことを言ってくる。
仕方がないので「じゃあ降りないよ」と言ってあげた。
彼女は嬉しそうに、「ありがとう、約束だよ……破ったら貴方も落ちてね?」と言う。
この言葉に俺はゾッとしたが、今は彼女を落ち着かせることが優先だ。
自殺を食い止めたい一心で、俺は「わかった、約束するよ」と言った。
そのとき、電車が揺れた。
そして彼女の方を見た俺は、彼女の不可解な言動のすべてを理解した。
しかしもう遅い。
降りたら彼女は落ちる、そして俺もまた落ちるのだから。
ヘヤニコイ
彼女はいきなり、別れたいと言い出した。
その日は俺の誕生日だった。
俺はアパートで独り暮らしをしていたのだが、
仕事から帰ると必ず部屋が掃除されていた。
彼女に合鍵を渡していたが、流石に毎日掃除してくれるとは考えにくい。
不審に思いつつも、帰宅の際には、
誰もいない整頓された部屋に迎えられる日々を送っていた。
それは俺の誕生日のときも同様であったが、
誕生日は彼女と俺の部屋で祝うことを常としていたので、
俺は彼女の不在に違和感を感じた。
彼女を部屋に呼ぶと、やってきた彼女は開口一番、
この浮気野郎、と俺を罵倒した。
彼女曰く、俺の部屋でパーティーの準備をしていたとき、
突如として見知らぬ女が現れ、
「私の彼を汚さないでよ!」
と叫びながら襲いかかってきたらしい。
そのとき俺は、その女こそが俺の部屋を掃除している張本人であることを悟った。
俺はこれまでの経緯を話し、その女は浮気相手ではなくストーカーだと主張した。
彼女が信用しないので、俺はその女を捕まえて
俺が潔白であることを証明させることにした。
翌日、俺は普段通りの時刻に部屋を出て、頃合いを見計らって部屋に戻った。
案の定、部屋には見知らぬ女がいたので、俺は女をその場に座らせて、
「おまえは誰だ?俺に恨みでもあるのか?」
と問い質した。
女は
「ワタシハ…アナタニ…ヘヤニコイ…」
と呟いたような気がするが、よく聞き取れなかった。
その間も女は部屋を片付けようとするので、
堪り兼ねた俺は女が持っているものを叩き落した。
女は俺を睨みつけ、どこからともなく包丁を取り出し、こう叫んだ。
「私の彼を汚さないでよ!」
次の日、近所のゴミ捨て場で男性の死体が見つかった。
彼女とは別れざるを得なかった。
襖に開けた穴
子供の時、襖に開けた穴に、
嫌いなヤツの悪口や呪いの言葉を書いて隠すという
くだらない一人遊びをしていたことがある
高校の時に父が死んで母は旅館に住み込みで働くことになり、
私は家で一人暮らしすることになった
寂しい時になぜか母や死んだ父の事より、
昔飼っていた犬の事をよく思い出した
あれをやってみようと襖に穴を開けて
呪いの言葉じゃなく犬の写真を丸めて入れた
夜中に襖の穴を見ていると、
何となく犬が穴からこっちを覗いているようで
怖さより懐かしい癒されるような不思議な感じがした・・・
それからは、死んだ父や祖父母や会いたいけど
この世にいない人々の穴を開けて写真や手紙を入れた。
ある日突然、母から電話で
実は付き合っている男がいてその人と再婚したいと言ってきた
母に裏切られたようで、
私は母に対するありとあらゆる呪いの言葉を書いて穴に入れた
今は母とも和解してこの部屋で一緒に暮らしている。
職場に片想いの女性がいるが、
いずれこの部屋で一緒に暮らすことになるだろう
他の男と結婚した事は許せないが、
母と同じで後から話せば私の気持も理解してくれると思う・・・
今では穴だらけになった襖を見てそう確信した。
相変わらずの一人暮らしだが寂しくはない
右手
私の母は優しい保母さんだったそうで
私の父は趣味がギターの普通の会社員でした。
そうした円満な夫婦のもとに産まれたのですが、
私にはなぜか右手がなかったのです。
母は大変ショックを受け。私を産んだ後に母が死んでしまいました
自殺だったそうです。
父が私の事を陰で「悪魔の子」と呼んでいました。
父は母が死んだ直後に愛人が出来、
当然私の右手の手術などせず、何時も冷たい視線で私を見ていました。
学校では右手がないことを理由にイジメられたりしましたが、
その怒りを勉学にあて、日々の努力のお陰で医学部に入ることが出来ました。
父は私が医学部に入ったと聞くとやけに優しくなり
俺が育てた子供とか言うようになりました。
しかし私が父の影響からかギターを始めると
今度は私に怯えるようになり趣味はサッカーに変わりました。
死ねばいいのに(相手を殺す能力)
誰にでも「あの野郎、死ねばいいのに」と思うことはあると思う。
だけど、それが現実になってしまったら・・・。
幼稚園の時、喧嘩した男の子が翌日死んでしまったことはあったけど、ただの偶然だと思っていた。
小学校の時、理不尽は体罰をする先生がいて、僕も酷く殴られた。
「あんな先生死ねばいいのに」と思った翌日、先生は死んだ。
確信したのは、中学の時、僕をイジめていたグループのやつらが全員死んだ時だ。
僕には、死ねと思った相手を殺す能力がある。
自分が怖かった。誰にも言えなかった。
心安らかに、誰にも腹を立てないように生きていかなければいけないと思った。
それでも、高校に入ってしばらくして、僕の周りで何人かの人が死んだ。
不良グループの奴や、感じの悪い女子。
強く願わなくても死んでしまうと知って、僕はショックを受けた。
悩んだあげく、泣きながら母に打ち明けた。
母は驚いて、最初は信じなかった。
けれど、偶然にしては僕の周りで人が死に過ぎるとは感じていたようだ。
父が会社から帰宅し、父も交えて話をした。
両親とも「どんなに辛かっただろう。子の罪は親の罪だ。お前は何も悪くない」と。
言ってくれた。
思い切って打ち明けてよかった。父と母に感謝した。
その夜、僕は心から安堵して眠ることができた。
翌朝―父と母は死んでいた。
目薬
俺は視力が悪く、今ではメガネを忘れると日常生活もまともにできない。
ある日、友人からある目薬を勧められた。
合法の薬品ではないが、視力を回復することができる目薬らしい。
半信半疑だったが、友人もそれで視力が回復したというので一度試してみることにした。
目薬を友人から受け取り、家に帰って早速説明を読み始めた。
「この説明書をしっかり読み、正しく使用してください。
正しく使用しない場合、視力の低下や、最悪の場合失明の恐れがあります。」
なかなか脅かすような書き方をしてある。
「まず水道水で目を洗い、細かいゴミを落とします。」
俺は洗面所に行き、目をしっかり洗った。
「点眼は片目ずつ時間を置かず、両目を一続きにおこなってください。」
俺は上を向き、右目、そして左目へとスムーズに点眼した。
「点眼後はすぐに目を閉じ、少なくとも1時間は目に光を入れないようにしてください。
目に光が入った場合、目薬の変質の可能性がありますので速やかに目を洗ってください。」
俺は目を固く閉じた。
このままでは時間が計れないので、俺は手探りで友人に電話し、1時間後に連絡してくれるよう頼んだ。
しばらくすると、電話が鳴った。友人から、1時間経ったとの連絡だった。
目を開けるとすでに日も暮れてしまったようで、辺りは真っ暗になっていた。
続きの説明を読まなくてはならないので、俺はとりあえず部屋の電気をつけることにした。
不審な着信
残業していた俺に部下の女性が青ざめた顔して、
携帯を見せた訳がわからずいると、
いま家から携帯に着信が入ったの怖いから家まで付き合ってと言ってきた。
一人暮らしで家には誰もいない、なのに着信が入ったらしい
怖がってる部下を放ってもおけず、一緒に部屋まで行った。
部屋に付くと電気は消えていた、
俺が鍵を開け恐る恐る中に入って電気を付ける
トイレやクローゼット、ベッドの下等確認、誰もいなかった。
部屋も整理されていておかしな所はなく、
緊張が取れよく見ると女性の一人暮らしらしい
小奇麗で良い匂いのする部屋だった。
安全を確認して部下に連絡して部屋に来てもらう。
警察に連絡する?と言うと大げさにしたくないから止めときます、
何かの拍子に電話機のリダイヤルが働いたのかも知れないし。
○○さんご飯まだでしょ、よかったら作りますから一緒に食べませんか?
一人じゃまだ怖いし…。
怖がってる女性を一人にするのも悪いし、
せっかくご飯を作ってくれるって言ってるし
妻とは別居して外食やコンビニ弁当にも飽きたし、
などと自分に都合のよく考えご馳走になる事にした。
その日は食事をして、
まだ怖いと言うので深夜まで話をして帰宅した。
それから暫くして部下は突然退職、
そして妻から離婚調停の知らせが
俺の浮気が原因だそうだ、証拠もあるらしい。
この時初めて気が付いた、、、
夜中の病院での出来事
とある病院での夜中の出来事。
記録室で書き物をしていたらひょっこりと部屋を覗く気配がした。○さん。
「どうしたの?○さん」
声を失う手術をした○さん、困ったように立っている。
「家に電話?何かあった?書類なら今書いてるよ?」
小指を立てたあと、額に手を当てて頭をゆらゆらさせている。
小指・・・女・・・女房。・・・・気分悪い?
いま、○さんに奥さんが付き添ってる事を思い出した。
「奥さん、気分悪い?見に行った方がいい?」
○さんがうなずいた。急いで○さんのいる部屋に走る。
部屋が見えたとき、部屋から息子さんが出てきて「すいませんお袋が!」と叫んだ。
具合の悪そうな奥さんを息子さんと2人で病棟に移し
疲れによる貧血だろうということで、点滴をしてしばらく様子を見ることにした。
しばらくして様子が落ち着いたのを見て、家に帰れるように奥さんと息子さんに
○さんの診断書を渡した。同時に○さんが奥さんの不調を教えてくれた事も。
なんだか奥さんは泣いていて、息子さんは泣きそうだった。
迎えに来た車を見送って、つぶやいた。さよなら、○さん
飛び降り自殺
サイレンやら何やらで外が騒がしいので、様子を伺いに出てみた。
すると下の階で警察が現場検証?らしき事をしていた。
「何かあったんですか?」と尋ねると
「4階で飛び降り自殺があったんだよ。」
うわぁ、と思って思わず下を除いてみると、確かに下では誰かを搬送しているようだった。
「危ないから覗かないでね。」と言われ
俺だってあんまり長居したくないし、早々に自分の部屋へ引き上げた。
しばらくして、どうなったかな?と気になって外に出てみると、
まだ警察の現場検証が終わってなかった。
現場検証ってやる事いっぱいあって忙しいんだなーと思って
「お疲れ様です、現場検証って時間かかるんですねー。」
と警察に話しかけた。
すると、警察は
「いや、ちょっと不審な点が多くて時間がかかってる。」
と言った。
なんかあるんですか?と尋ねると、飛び降りたのは20代女性。
4階から飛び降りて即死だったらしいんだが、どうも飛び降りる以前に打撲の痕がある。
それに加え、階段に謎の血痕があり、結局それは彼女のものだったという。
いじめを苦にした自殺だろうなと思っていたが、風の噂でこんな事を聞いた。
恋愛と仕事の失敗で落ち込んでたらしい。
七人ミサキ
四国の某県某村で、
男に手ひどく振られた女が身投げして七人ミサキになった所がある
七人ミサキとは、
自分が成仏するために七人の命を奪う地縛霊で、
そこでは男ばかり6人が変死した
しかし高名な坊主でも祓う事ができなかったこのミサキで、
数十年経つ今でも7人目の犠牲者は出ていない。
この女は、7人目を誰かに決めているのだろうか?
それとも成仏したくないのだろうか?
スイカ割り
今日は念願のスイカ割りだ。
仕事で多忙な日々が続いていたが、有給休暇を取って正解だった。
俺は今日一個買ってきたスイカを用意し、目隠をした状態で棒を構えた。
息子と妻が期待した目で見ている。
俺は棒を思いっきり振った
「パカァァァン」
どうやら粉々に砕けたようだ
息子に男らしい姿を見せたのは何年ぶりだろう。
俺は棒を振りかぶり、思いっきり振った
「パカァァァン」
今度もスイカは粉々に砕けたようだ
俺が楽しんでいる間に息子が眠ってしまったようだ。
今日は本当に楽しい一日だった。
俺は散らばったスイカを片付けた後に棒を振りかぶった。
ある個人サイトでの書き込み
ある個人サイトでの書き込み
man:やっほ~~^^
KAZ(管理人):おお、マン、今日も来てくれたかwありw
もちみ☆:manさん、ばんわです~~w
KAZ:みんな、聞いてくれw今日でサイト開いて祝10日目ww
man:わw少なw
まだこの提示版の住人は、俺ともちみちゃんの二人だけだから
もっと住人増やしてこのサイトを盛り上げていかないとなw
もちみ☆:そうですね~^^
MOONファンサイトとしてこのサイトはよく出来てますし
きっとたくさんの人が訪れてくれると思いますw
KAZ:ありがとう^^
man:ところで、聞いた話なんだけど
MOONの幻の曲ってのがあるみたいで
”shine”って曲があるんだってさ。
もちみ☆:あ、私も知ってる~~。
なんかのアクシデントで発売中止みたいな~
KAZ:?、あれ俺は聞いたことないな~、
自他共に認めるMOONマニアなのにw
man:なんでもイッちゃう位のハードロックナンバーらしいぜ!
数日後の書き込み(この時、管理人不在)
もちみ☆:やっと、shine手に入れたですぅ~^^いい曲w
man:おお、マジで!?俺にも手に入る場所教えてくれよ!w
もちみ☆:いいですよ~^^場所は・・・
翌日
KAZ:えっ、二人ともMOONの幻の名曲手に入れたんだって?
man:ああ、めっちゃいい曲だぜw意識が飛ぶような感じw
もちみ☆:^^そうですね~。天に昇ったような高揚感がある曲ですね~w
man:KAZもこの曲あった所、教えてやるから早く聞きなよw
(この後、書き込みなし)
誘拐された子供
草木以外何も無い無人島に、誘拐された子供が連れて来られた。
子供はガムテープで口を塞がれ、手と足を縛られた
犯罪者に「ごめんなさい。許してください」と言うと、
彼は怯えた目をして手の縄を解こうともがいた。
──1ヶ月後、子供の居場所を突き止めた警察と救護班がやって来た。
子供の服や顔は血まみれだったが、幸い命に別状はなく生きていた。
泣きながら抱きついて来た子供に話を聞くと、
「おじちゃんはね、
お腹空かせてお魚を取ろうとしたら海に流されちゃったの」
と言った。
自業自得な話だ。
それにしても、この子が生きていて本当に良かった。
おうちに帰りましょう
最近ボクは毎日たけるくんと公園で遊んでいます。
砂場で山をつくったり、トンネルをほったりしていると、
あっというまに時間がたちます。
夢中であそんでいると、学校のチャイムの音がきこえてきました。
「あ。休み時間が終わっちゃう」と、たけるくんが言いました。
ボクが笑いながら「だいじょうぶだよ。まだまだ休み時間はあるよ」というと、
たけるくんも「そうだね」といって、ふたりで笑いました。
ボクたちは、もう学校のチャイムを気にする必要なんてないのです。
またしばらく遊んでいると、
公園のスピーカーから「夕焼けこやけ」が流れてきました。
「5時だ」うす暗くなってきた空を見上げて、たけるくんがいいます。
スピーカーからも「5時になりました。おうちに帰りましょう」と聞こえてきます。
「おうちに…帰りましょう」と、たけるくんがつぶやく。
「ダメだよ。今日は残業の日なんだから」ボクがそういうと、
たけるくんは小さくうなづきました。
すっかり暗くなってしまった公園で、ボクたちはだまってブランコをこぎました。
そうして2時間ほど遊んだあと「また明日」といって手をふって、
たけるくんにさよならを言って家に帰りました。
家に帰ると、妻が青い顔で言いました。
「あなた。同僚の鈴木さんが、ついさっき自殺したって連絡が…」
自殺を試みた女の子
俺は、結構霊感がある方だと思う。
というか、幽霊がはっきり見えちゃうし話も出来ちゃうんだよね。
ある日、俺は道ばたを歩いていたら、
首にロープを巻いた女の子が寂しそうにこちらを見つめているのに気がついた。
明らかに生身の人間じゃなくて、でも死霊でもない。
俺は、その娘に話しかけてみた。
「君、生霊だよね。駄目じゃない、身体から離れたりしたら。」
「うわあ、お兄ちゃん、私が見えるの!?」
久々の会話で、女の子は嬉しそうだった。
どうやら、彼女はずっとこの付近を彷徨っていたらしい。
肉体から離れて随分経ってるみたいだ。
今まで俺が見てきた生霊の中でも、この娘はかなり死霊に近い。
早く肉体に戻らないと生命に関わるだろう。
女の子は、しかし悲しそうに自分の首のロープを持ち上げて、答えた。
「ううん、戻れないの。私、首吊って自殺して……もう肉体は手遅れなんだって。」
「う〜ん、参ったな。悪いけど、じゃあ僕にはどうしようもないよ。そのうち君の肉体が死んで死霊になると思うから、その時はちゃんと成仏して、生まれ変わったら絶対に自殺しちゃ駄目だよ。」
「無理だよ。」
女の子は、自分の首に巻かれたロープを見つめて、呟いた。
「だって、私天国いけないもん。自殺、しちゃったから……。嫌だよ。私、地獄に行きたくないよ。助けて……。」
女の子の目から涙が溢れてきた。
堰を切ったように泣き出した。
参ったなあ。
俺、女の子の涙には弱いんだよ。
何とかして、彼女を助けてあげたくなった。
「うわ、泣くなって。大丈夫。まだ君は死んでないんだろ?じゃあ手はある。
君を地獄になんか落とさせやしないから!!」
俺の言葉で、彼女は潤んだ眼で俺を見上げる。
まずいな、約束しちゃったよ。
「君の身体が、放っておいても死んでしまう状態なのは確実なんだね?」
女の子は頷いた。もうヤケだ。
とことんこの娘に付き合ってやろうじゃないか。
「わかった。じゃあ、君の入院している病院と、その病室を教えて欲しい。」
翌日、新聞でニュースを確認する。
心は痛む。
だが、これで彼女の自殺は未遂に終わったのだ。
「これで良いんだよな。」
俺が呟いたとき、
「——ありがとう。お兄ちゃん。」
彼女の声が、聞こえた気がした。
録音
俺が厨房の頃の話。
仲のいい5人組みたいな感じの中に二人霊感のあるヤツが居たんだ。
一人はなんとなく分かる子、もう一人は霊の性別とか見た目まで分かる子。
で、放課後そういう話をしていたんだが、誰かが
「降霊やってみようよ!!」
とか言い出した。
みんな興味津々でやろうってなったけど、
降霊なんか誰もやり方をしらなかった。
そんなか霊感のある子を中心に輪になって
よくわからんがそれっぽい事を延々とやっていた。
結局、何も起こらなかったんだが、
俺、そのときカセットテープのレコーダー持ってて、録音してたんだよ。
でも場所が悪かったのか音声が全く入ってなかったんだ。
話し声とか物音とか何もね。
でも一つあることに気づいた。
周りの音が無いって言っても、録音してると小さい「サー」みたいな、
砂嵐みたいな音が入るやん?
でもそれには何もはいってなかったんだよね。
60分いっぱいとったけど本当に確かに動いてたはずなのに何も入ってなかった。
で、たまたまだろう~ってなって、帰宅した。
数日後俺は録音したいラジオがあってその何も入っていないテープに録音した。
そのテープにはそのラジオ番組しか入っていないはずなのに、
ラジオの入っていた10分後くらいにかすかに笑い声が入っていた・・・
学校で聞いたときは何も入っていなかったし、
ラジオ録音以外に入れてないし、そのときの5人組の声でもなかった・・・
心を読む薬
私は学者である。
現在朝の4時、私は叫ばずにはいられなかった。
毎日毎日研究を重ねやっと作り上げた。
相手の心を読むことのできる薬を。
今までいくつも発明してきたが中でもこれはとても素晴らしい出来だ。
ちょうどそこに隣に住む友人が訪ねてきた。
「やっと完成したんだ!!」
私は言う。
「そんな嬉しそうな顔してどうしたんだ?」
「実は相手の目を見るだけで相手の心がわかってしまう薬が出来たんだ!!!一粒使えば1時間,きっかり1時間相手の心を読むことができるんだ!!」
「わかった。まず落ち着け。それはすばらしいな。」
「では使ってみることにしよう!!!」
「どうだ?私の心がわかるか?」
「手に取るようにわかる!君は私の研究を信じていないね?むしろ私に怒りさえ覚えている。」
「そうだ。悪いがもう君には付き合いきれない。あまりに馬鹿馬鹿しすぎる。毎日のように朝まで君の独り言を聞いていると頭がおかしくなる。しかるべき所へ通報して君には施設へ行ってもらうからな。」
「ちなみに昨日の夕飯は?」
「………」
「そうかわかったぞ。わかったぞ。」
「馬鹿らしい。」
と言うと友人は帰ってしまった。
次の日、学者は家から姿を消した。
「別に信じたわけではない。」
と友人は夕飯を作りながら独り言を呟く。
古いカメラ
「やるよ」
そう言って親父が俺に渡したのは、古いカメラ
「これにはな、人の死に顔が写るんだよ」
「は?全然面白くねーよ」
親父は黙ったままだった
数ヵ月後、親父は死んだ
急性の心臓発作だった
それから数ヶ月経ち、カメラの話を怖いもの好きの彼女に話してみた
「そのカメラのはなし、本当なの?」
「撮ってみるか?」
「そうしよっか」
おい待て、冗談で言ったんだぞ
だが、後には引けない…
カシャ
「なんだよ、コレ」
俺の顔はいつもと変わらなかったが、彼女の顔が血塗れだった
「なんかイタズラしたんでしょ!?」
もちろんしていない
それに、写真を撮ろうと言ったのはそっちじゃないか
取り乱したまま、彼女は帰ってしまった
…俺が逆の立場だったら、そう思うと責める気にはなれない
数日後、彼女が交通事故で死んだ
聞いた話だが、顔は血塗れだったそうだ
「苦しかっただろうな」
写真を見せて以来、ずっと怯えていたらしい
あの写真を撮らなければもっと楽しく数日生きられたんじゃないか、と考えてしまう
俺は彼女の分も強く生きようと思った
脱獄
一人の男が刑務所を脱獄した。
男は窃盗の罪で3年間の懲役を食らっていたが絶えられず逃げ出した。
やがて男は海に出た
海岸伝いの岩場に逃げ込むと
上のほうに人一人分隠れられる窪みを見つけて其処に隠れた
上で何かカサカサ音がするので注意してみていると
カニの歩く音だった
見るとポツポツ穴が開いている。
男は安心したのか眠ってしまった・・・・。
やがて目が覚めたとき男は異変に気がついた
岩場の周りが海水で囲まれて孤立している。
どうやら時間がたつと
満潮になる時に目が覚めたようだ。
男は泳げないので
仕方なくこの穴で一夜を過ごす事に決めた。
「なぁに、大丈夫だ!
ここは死角になっているから刑事にも見つからないし
しばらく我慢すればいい。
朝になれば潮が引くからここで一日我慢すればいいさ」
上ではカニがカサカサと音を立てて動いていた。
雪かき
「父さんをこっちに呼びたいんだけどいいかな」
義母が亡くなり、1人で暮らすようになった義父を心配した旦那からの提案だった。
「それはいいけど…お義父さん、こっちの冬、大丈夫かしら」
私が生まれ育ったこの新潟の田舎町は、豪雪地帯で知られている。
義父は九州から出たことがないと言っていたから、雪国暮らしは大変だろう。
あれから半年。
すっかり雪の季節になった。
義父は、私や旦那が仕事に行ってる間に、家のまわりの雪かきをしてくれるようになった。
それはいいのだが…
「田中さん、おたくのお父さん、うちの畑のほうに雪投げてくるのよ」
「困るんだよねぇ、道路に雪出されると」
家に帰ると近所の人に言われることが増えてきた。
雪国のルールはなかなか厳しい。
スコップの扱いにも慣れないから、お隣の塀にぶつけて傷をつけたこともある。
どうしたものか…
2月、義父が川に落ちて死んだ。
雪かき中の事故にしては不審な点があるらしく、自殺するような心当たりはないかと警察に聞かれた。
「60過ぎて知らない町に来て、いろいろ苦労はあったと思いますよ。でも義父は馴染もうと頑張っていました。雪かきなんかも、大変だしやらなくていいですよって言ったんですけど…」
食料
ある国の王が船旅の途中強烈な嵐に巻き込まれ漂流しました
助かったのは王とその兵士、二人は無人島へ流れ着きました
王
「腹が減った、なにか食べる物をもってこい、
用意できたら国へ帰ったとき男爵の位を授けよう」
兵士
「本当ですか!では早速用意致します」
兵士は食べる物を用意して王に食べさせました
王
「腹が減った、食料をもってこい今度は子爵の位をやる」
兵士
「わかりました」
兵士はまた王へ食べる物を与えました
王
「食料をもってこい、国に帰ったらお前は伯爵だ」
兵士
「かしこまりました」
兵士はただちに食べる物を差し出しました
王
「食料だ公爵の位をやる」
兵士
「はい」
兵士は食べる物を出しました
王「腹が減った」
兵士
「申し訳ありません、もう用意できるものはありません」
王
「心配いらん、今度はわしが用意してやる」
占い
ある夜、薄暗い道をほろ酔い加減の男が歩いていた。
男が歩きながらふと横を見ると、50がらみの男が椅子にすわって本を読んでいた。
男の前にある机には「占」とかかれた紙が貼られ、水晶玉が置かれている。男は占い師のようだ。
男は好奇心から占ってもらうことにした。
男は机の前の椅子に腰掛け、言った。
「うちの兄のことを占ってほしいんだけど」
占い師は頷き、兄の名前と年齢を聞いて来た。
男は自分の名前と、5年後の年齢を答えた。
男に兄はいない。少しからかうつもりだったのだ。
「○○××さん、28才でよろしかったですよね?」
占い師は確認し、水晶玉に手をかざして占い始めた。
が、途中で顔色が変わり、周りに積み上げられている本を片っ端から
調べ始めた。
ひととおり調べてしまうと占い師は汗をふきふき男に尋ねた。
「失礼ですけど、○○××さんはご健在ですよね?」
「元気ですよ、失礼な」
そういうと占い師は、
「お兄さんに、体を大事にするように言って下さいね」
と何回も繰り返し始めた。
「どうしてそんな事を・・・・」
男はたずねた。
「貴方のお兄さんね、占いの結果だとね、5年前の今日亡くなってるはずなんですよ」
アフリカでの写真撮影
アフリカで私が写真撮影をしていた時の事。
望遠レンズで遠くを見ていたら大木(バオバブとかではない普通の樹木)に地元の人たちが10人位登って下を見ていた。
下を見るとライオンが呑気そうにいて、その近くに帽子が一つ落ちていた。
もう一回木の上を見ると、登っている人たちはみんな落ちているのと同じ帽子をかぶっているではないか。
「おやおや、帽子を落としたがライオンがいるので取りに行けないらしいw」
私は笑ってカメラから目を放し、別の撮影に向かった。
嫉妬心が強い妻
長年連れ添ってきた彼女と、ついに結婚することになった。
彼女は嫉妬心が強い子で、他の女の子と話をするだけですぐに不機嫌になるんだ。
でも、本人は浮気をまったくしないし、俺だけを愛してるって何度も言ってくれた。
だから俺は、彼女と結婚することに決めたんだ。
挙式を終えて、一戸建てを買って二人の新婚生活が始まった。
妻は毎朝俺を玄関から見送って、夜はかならず料理を作って待っていてくれる。
俺は本当に幸せだった。
そして数年後、妻が初めての子供を孕る。
医者によると女の子だそうだ。
俺は初めてのことで、それこそ大喜びした。
妻も笑顔で自分のお腹をなでて喜んでいた。
やがてお腹もぽっこり出てくるようになり、俺は妻の腹に耳を当てて、もうすぐ生まれてくる我が子の様子が気になって仕方がなくなるようになった。
朝起きたとき、夜帰ったとき、俺は毎日のように妻のお腹から我が子を可愛がった。
ある日、病院から仕事先に一通の電話が鳴った。
妻が流産したのだ。
俺は上司に無理を言って、急いで妻が担ぎこまれた病院に向かった。
そこで俺は、産婦人科の担当医から、流産の事実を聞かされた。
嘘ではなかった。
俺は病室で寝ている妻のところへ向かった。
妻は疲れたような、悲しいような目で窓の外を眺めていた。
俺は「残念だったな・・・」と呟いた。
「・・・そうだね」と妻も呟いた。
その後に、振り絞るような声で、こう続けた。
「でもあたし、また子供つくるよ。死んじゃったあの子の分も生きられるような、元気な男の子をね・・・」
疲れた
あー、疲れた
冗談でも、あんなとこに行かなきゃ良かった
酒も入ってたからだけど、
心霊スポットなんて
しかし、本当に疲れた。
サイトでも、
心霊スポット行って怖い思いをした話なんてよく見かけるのに
こんなに疲れるなんて思わなかった…
本当に見ちゃったし、
友達も皆びびってたし
でも、疲れたのは俺だけだったな
皆興奮して騒いでたし
でも、なんで俺だけなんだよ…
あぁ、もうダメだ。
翌日の記事
〇〇県××市
男性が行方不明に
何故か部屋が血だらけに
月野警部によると
「事件性があるが
不可解な点が数多く警察混乱している。」
との事。
大統領の銅像
側近A
「大統領、先日作らせていただいた大統領の銅像ですが、人々が殺到して大評判です。」
大統領
「そうなの?そんなに?」
側近A
「ええ。連日、長蛇の列で、周りには土産物屋や屋台も出ています。
キャンディー、饅頭、水風船…。とにかく凄い売れ行きで、経済効果も抜群です。
みんなの笑顔が溢れています。」
大統領
「嬉しいわ。でも、そんなに人気なら一度その様子を見に行きたいわね。」
側近A
「本当ですか?国民は大喜びですよ。この国にもやっと春が訪れます。」
開けちゃダメ
「ママ、今から帰るからね」
「うん、わかったー」
「ちゃんとお留守番してた?」
「うんー」
「ケーキ買って帰るからね」
「うんー、あ、誰かきたー」
「宅急便屋さん?」
「待っててー」
「行かなくていい!」
「おまわりさんだったー」
「開けちゃダメ!」
「もうここにいるよー」
10年後、母とはまだ会えていない。
私から母を奪ったこいつらを、私は許さない。
爺さんの遺言書
子「親父、爺さんの書いた遺言書が見つかったよ。
1.死ぬときは愛するお前たちに見守られながら死にたい。
2.派手なのが嫌いだからお葬式は身内だけの密葬にしてくれ。
3.墓のような暗くて狭い所は嫌いだから海に散骨してくれ。
4.俺の財産はすべてお前たちにやる。
5.俺はいつまでも愛するお前たちのそばで生き続ける。
親父、これ知ってたの?」
父「いや、偶然だ。」
保証人
「10万円借りるの。ねっ、保証人になってぇ~。」
彼女は甘えた声で言った。
「10万円だったら俺が今…」
「ダメ!あなたから借りたら、私たちの関係がお金の関係になるでしょ?
あなたと私は男と女。ねっ、保証人になってぇ。」
「そうかぁ…。よし、分かった。なってあげるよ。」
「ありがとう!すいませ~ん、ここ、シャンパン!もちろん、私の奢りよ。」
う~ん、俺は彼女のこの小悪魔みたいな笑顔に弱いんだよなぁ…。
左右確認
曲がり角で停車。ここ、信号ないのよねぇ…あ、右からくるのは○○くんママ♪
後ろを振り返って○○くんが大好きな娘をみたけど、
手にお菓子を持ったまま寝ちゃってるし!
仕方ないなぁ…せっかく大好きな○○くんと偶然会えたのに…まったく!うちの娘は!
右折する為、アクセルを踏み、進路…
影が左に見えた!?と
一瞬の間を置いて衝撃が伝わってきた。…あっという間の出来事だったけど、一体…
知らない女性が左から走ってきて、車の前方にしゃがんでみえなくなる。と、男の子を抱えて立ち上がった。…血まみれ…だ!
喉がカラカラに渇く。大変な事をしてしまった…。
リーディング
次の8つの単語の中から、1つを自由に選んで見て下さい。
スキー、鼻水、コップ、温泉、ゴミ箱、コーヒー、冬、お土産
選びましたか?
では今度は、その単語と関係あると思うものを、次の8つの単語から選んで下さい。
電卓、雪、針、ティッシュ、米、まんじゅう、牛乳、電話
はい、ありがとうございます。
選んだそれを強くイメージしてから、次に進みましょう。
そのものの特徴を、次の8つの中から選んで下さい。
大きい、遅い、白い、鋭い、暗い、甘い、赤い、狭い
それでは最後に、その特徴に当てはまるものを次の8つの中から選んで下さい。
ナイフ、ピラミッド、砂糖、亀、犬小屋、宇宙、血、深海
選びましたか?
では、あなたが何を選んだかズバリ当てて見せましょう。
あなたが選んだものは、砂糖 ですね?
4通のメール
今日メールが4通来た
1通目は俺の母親からで、姉が子供を産んだそうだ。
「明日病院に見に行く」と返信した。
2通目は父親からで、今週の日曜は帰って来るのか聞いてきた。
「仕事が忙しくて無理っぽい」と、返信した。
3通目は女友達?からだ、電話に出ないから心配していた。
「熱が出てフラフラ、お腹空いたけど動けない・・・」と、返信してみた。
すると4通目が来た。仕事が終わったら、お見舞いにケーキを買って来てくれるそうだ。
それなら掃除は明日一緒にやろう、忙しくなりそうだし、
赤ちゃんを見に行けそうにないな。
友達のアパートで飲み会
ある夜俺は友達のアパートで飲み会をしていた。
夜の二時を過ぎた頃、俺の携帯電話が鳴った。
友人のAからだった。
「悪いんだけどもう少し静かにしてくれない?俺朝一でバイトあるから寝ないといけないんだ。」
「あ!ごめん、静かにするわ盛り上がっちゃて。」
Aからの苦情を一緒に飲んでいる友人たちに伝え、
声を小さくして話す事にした。
しかし20分後また携帯電話が鳴った。
またAからだった。
「いい加減にしてくれよ、夜中に何やってるの?台所とか風呂の方から凄い音するよ!」
「…おかしいな、悪い。」
電話を切った。
その時、一緒に飲んでいた友人の一人が俺を見て言った。
「あれ…、Aが住んでるのってお前の部屋の隣じゃなかったっけ?」
落とし物の封筒
私はマンションのフロント係をやっている。
まぁこのマンションは入り口にも鍵がかかってるから住人以外自由に出入りできないし、仕事なんてほとんどない。
私のマンションではフロントに落とし物箱を置いていて、住人はそこに拾ったものを入れていく。
鍵だの傘だのゴミだの、ときには写真とか手紙も入っている。
それの管理も仕事と言えば仕事だ。
手紙って言って思い出すのは田中さんのことだ
半年くらい前、朝出勤したときに箱の中を見ると封筒が入ってたので、よく見てみると名前と部屋番号が書いてあった。
601の田中って、あの綺麗なOLさんの部屋じゃないか、と思ってドアのポストに入れておいた。
彼女はいつも私に挨拶してくれるし、前にも書類の落とし物をしたりで、意外と抜けてるところがあるみたいで少し微笑ましい。
でも数日後また同じような田中さん宛の封筒が、落とし物箱に入ってたのは不思議だったのを覚えている。
田中さんもそのあと、挨拶もなくすぐに引っ越してしまってとても残念だった。
それに比べて今フロントに一番近い部屋に住んでる男の人は無表情なうえに無愛想だし、110のおばさんは角部屋なのに生ゴミ臭いって文句をなぜか私に言うし、その隣に住んでる若い女の子は引き籠もりはじめて家賃も数か月滞納しているし。
一番関わり合いのある一階にろくな住人がいない。
なんで田中さんは引っ越してしまったんだとため息が出るばかりの今日この頃。
なんでも思い通りになる薬
なんでも思い通りになる薬を発明した。
酸素に触れると気化するため、気化しないような空間を作らなくてはならない。
今日は被験者に注射してみることになったが、被験者につけてある酸素ボンベが邪魔な上汚れていた。
まったく。。。家に帰ったら洗濯しなくてはいけなくなってしまった。
結果。。。どうやら服用した本人が永遠に眠り続けるだけの薬のようだ。
これではなんの役にもたたない。
もっと薄めて気化しないようにすれば実用できるだろう。
私は無事成果を収めた。
この薬は今までにない発明だ。
大金を手に入れ、私は今、幸せに暮らしている。
怪文書
夜中の2時頃友人Aから電話がかかってきた
A「なぁ変な手紙が届いたんだけど見てくれないか?」
俺「なんだよこんな夜中に、まあ暇だから別にいいけど・・・」
A「ホントに!今すぐ持っていくよ悪いな!!」
うちから奴の家まで車で2時間、奴を待つ間はマンガ読んだりネットしたりしながらくつろいでたんだ
で、ちょうど時間通り2時間で奴がやって来て
何も言わず俺に封筒を渡してきたんだ、内容は
「あしkwぁkじぇんぢこckしっふでいしydhsdbbきゅklkさhjdjdkkfdjしいううあh」
A宛で届いているのにこんな感じの訳のわからん文章だったw
俺「なんだこれww気持ちわりーなwww」
A「どう思う」
俺「確かにこんなの届いたらいやな気分になるわなwww」
A「いやどう思う?」
俺「うーん嫌がらせかなぁ、それとも何かの暗号?でもそんな気にしないでいいんじゃないww?」
A「いや違うよこんな夜中に車で2時間かけてこんな手紙を見せに来た俺のこと」
事件報道
今日未明、今月2日に起こった無差別傷害事件の被害者で、現在○○病院に入院中の高校生□□A子さんが、病室で自殺しているのが見つかりました。
A子さんは同傷害事件で左わき腹を刺されながらも、直後のインタビューに毅然と答え、犯人割り出しの決め手となりました。
しかし、同日深夜携帯電話を使ってのインタビューや、翌日3日の取材では事件の恐怖を語り、塞ぎ込む様子を見せ、4日以降の取材では、報道陣の問いかけに答えられない状態が続きました。
14日にはやっと報道陣の呼びかけに答えられるほどの状態に回復し、
「(事件で)相当なストレスを感じている」「(このような事件は)もうやめてほしい」
と報道陣に訴えたばかりでした。
その間に7度、A子さんの特集番組が組まれ、全国から応援のメッセージが届いていましたが、A子さんを引き止めることは出来ませんでした。
特徴的な話し方で全国的に有名になった父親のB男さんは、「娘は(事件に)ころされたようなもの」と憤りをあらわにし、
祖母のCさんも「もう気力が尽きた」と肩を落とした。
A子さんの特集番組『夢を諦めない -A子さん半生の記録-』は今日夕方19:55分に放送です。
ぜひそちらもご覧ください。
放送室
80年代前半の出来事。
午前10時過ぎ、2時間目の授業の最中、放送の流れるスピーカーの電源が入り、
「・・・さい。・・・なります。・・・さい。・・・なります。」
と、抑揚の無い棒読みの、低めの大人の女性の声で放送が流れる。
1・2年生には泣きだす児童もいたため、1・2年生の担任の先生は教室に待機。
3年生の教室に居た3年の担任の男性のA先生が、生徒を落ち着かせた後真っ先に放送室を確認に向かう。
続いて4~6年生の担任等他の先生や用務員が駆けつけ、真っ先に駆けつけていたA先生に情況を聞くも、
「放送をした者を確認できなかった」。
当時、学校にいた女性の先生は皆授業中だった。
学校では、外部の者が学校に侵入し行った悪戯として、防犯体制を強化した。
↑
俺が小学校に入学するだいぶ前に起きた事件。
真っ先に駆けつけた3年生の担任のA先生は、その事件の日から体調不良を理由に、仕事を休むようになっている。
他の先生たちで代替の授業を行ってA先生の復帰を待ったけど、A先生は結局3週間ほどで退職。
3年生の生徒が手紙を書いたり連絡を取ろうとするも、連絡はつかなかった。
さらに、A先生は精神病で病院に入院しているという噂が流れる。
件の流れた謎の放送、「・・・さい。・・・なります」、はボソボソとした口調だった為、生徒の間で、こう聞こえたー、いやいやこうだー、と様々な意見が流れたが、一番多かった意見が、
「見ないでください。おかしくなります。」
真実を映す鏡
太郎「これが真実を映す鏡?俺の本当の姿がこんなブサイクなおばさんなわけないだろ!」
結衣「冗談じゃないわ。誰よこれ。あたしの将来ってこと?赤の他人じゃないの。」
翔太「ボク、男の子だよ。ボク、女の子なの?よく分かんな~い。」
梅子「あたしの若い頃かい?いやぁ、もうちょっと美人さんじゃったよ。この人はあたしじゃないね。」
ボブ「ヘイ、ユ~。コレ、ダレ?オレサマノ、ファンカイ?ダサイネ~。」
花子「何これ。普通の鏡でしょ。どこが真実を映す鏡なの?馬鹿馬鹿しい…。」
医者「よし、花子にしよう。」
剛志「殺すぞ!てめえ!」
轢き逃げ
俺が夜中に車に乗ってたら、前に小学生くらいの男の子がいた。
「こんな時間に、危ないなー」と思っていたら、なんだか様子がおかしい。
ふらふらとしている。
と、急に男の子は車道に転がった。
キキキキーーーーードン!!
ぶつかった・・・
どうしよう・・・
下りたほうがいいのか・・・
関わり合いになりたくなかった俺は、バックしてさっさとその場を離れた。
その後、そこを通る機会があった。
あれが幽霊だったらまだ良いのに・・・
そう思って現場あたりを見ると
「○月○日○時ごろここで轢き逃げがありました。」
「目撃された方下記の電話番号に情報提供おねがいします。」
俺は家に帰り悩んだ。
警察に行くべきか・・・
だがきっと、相当な時間を奪われてしまう・・・
いやだ。俺は関係ない・・・
そうこう思っていると、ニュース速報が。
「△市×町で発生した轢き逃げの容疑者が逮捕されました。」
ああ、そうか・・・良かった。
俺はほっと胸をなでおろした。
命名
俺の親父には、どうやら悪魔信仰のケがあるらしい。
母によると、俺が生まれたことがそのきっかけになったという。
というのも、平成六年六月六日午前六時六分、俺は生まれたらしい。
そこに何か言葉には出来ない、ある種の運命めいたものを感じるあたり、パチスロ狂の親父らしい。
まあ、単なる数字のゾロ目ならびに、何を感じるものがあるのやら、はなはだ不可解だが。
母によると俺に名前をつける際、いささか揉める事態が夫婦間に起こったそうな。
『六助』
始め親父は、俺にこんな名前をつけようとしたという。
夫婦にとって初めての子供なのに、何故また六なのか。
そこは親父なりのセンスなのだろうが、そうのんきにもしていられない。
何せウチの名字は『鹿録』。
『カトリ』と読むのだが、読み方によってはロクロクとも読める。
六だらけの日時に生まれて、名前にもロクが三つ。
欧米かぶれなわけでも、映画『エクソシスト』の見すぎなわけでもないが、やはりいい気味がするものではない。
母の猛反対により『六助』は却下。
次に親父が捻出した一案が『陸』。
「かつて陸上自衛隊勤めしていたから」と、一見もっともらしい理由をつくろったらしいが、ばりばりの文系才媛である母の目はごまかせない。
小切手や領収書など、大金が動きうる取引上、ちょっとした書き足しひとつで、額面よりも多めに請求できてしまえる、
『一』の上に横線一本で『二』、二本で『三』、縦に一本ひけば「十」にしてしまえもする。
それを防ぐべく、本来のとは異なる、金額記入の際にのみ用いられる難字というのが導入されたわけだ。
『一』なら『壱』、『三』なら『参』という風に。
そのことを知識として持っていた母のおかげで、親父の妙案(?)はまたしても却下。
『陸』は『六』の難字表記だ。
よからぬ企みがあったのか否かはもう分からないけど、興醒めだとでも言わんばかりに、命名の役目を母に押しつけてきたらしい。
「正しく一本の道を歩んでいってほしい」という願いを込めて、『正一』と名付けてくれた母さん。
何故だか母のその発案を、快く手放しで祝福してくれた親父。ありがとう。
高校に進学したら、勉強も部活もアルバイトもがんばるよ俺。
怪しい人
ピンポーンて鳴ったから出ようとしたら
インターホンのカメラにマスク・サングラス・ニット帽・黒ジャケットの
まさに「私は怪しい人です」という看板を下げているようなおっさんが映った。
ヘタレの俺は怖いので居留守・・・・でも10分してもまだおる。
仕方なく姉の部屋行って「怪しいおっさんが家の前にずっとおる」って言ったら
「怖いからとにかくほっとけ」言われた
40分くらいしてから見たらいなくなってた
『怪しいおっさんで悪かったな二人とも死ね』って貼り紙残して・・・・・・。
デパートのトイレ
この前さ、買い物中急に腹が痛くなってデパートのトイレに駆け込んだんだ。
そしたら、トイレの個室をノックしてドア開けるような音がしてさ。
端から順番に入っているやついないか確認してるみたいなんだよ。
俺一番奥の個室にいてさ。すぐとなりの個室まで調べ終わって
巡回の警備員かぁ、なんか恥ずかしいなぁ
とか思いながらノックされるの待ってたら全然ノックされなくてさ。
あれ?っと思ったら急にトイレが薄暗くなって
あぁ気づかれずに電気消されちゃったかなっと思って
出すもん出して個室からでたら電気なんて消えてなかったんだよね。
さすがに怖くなって手も洗わずに走って逃げたんだけど
俺、もうデパートのトイレ入れないわ。
人形
今日、公園のベンチで人形を見つけた。
向こうではしゃいでいる女の子の物だろうか?
次の日、あの人形がまたベンチにいた。
あの子がおいていったのか?
僕は自分のものにすることにした。
父は「何があっても大事にするなら」とどこかに電話をかけて人形を手元に置く許可をくれた。
人形に似合いそうな洋服をメイドが作ってくれた、着せてみると良く似合う。
さらに次の日、あの子が泣いていた。
人形を探しているのだろう、でももう返さない。
人形は僕のものだし。
抱きしめると軟らかくて温かい。
この人形は僕のもの、
もう絶対に返さない。
霊が出没する曰く付きの道
俺は友人と一緒に夜道を歩いていた。
この道は夜中になると幽霊が出没するっていう曰く付きの道で、正直俺はガクブルだったね。
暫く歩いていると、背後から足音がしてきた。
振り返った俺は卒倒しそうになったね。後ろから現れたのは、物凄く不気味な老婆だったからだ。
腰を屈め、髪を振り乱した凄い形相の老婆。
うわあ、あれ幽霊じゃね?あの不気味な雰囲気、絶対この世のものじゃないって。
俺は老婆から目を伏せようと努力した。
だが、そう思えば思うほど、恐怖と同じくらいの好奇心で、
俺は背後からゆっくりと歩いてくる老婆を、何度も振り返って見てしまった。
そして、俺は信じられない瞬間を目撃してしまったんだ。
前方からやってきた女子高生が、俺達の横を通り過ぎると、まっすぐ老婆の方へ歩いていった。
お互いに相手が見えない様子で、避ける様子もなく歩き続け、やがて二人はぶつかり――
老婆は良く出来た特撮のようにスーッと女子高生の身体をすり抜けた。
俺は思いっきり悲鳴をあげて、その場を逃げ出したね。
あの老婆はやっぱり幽霊だったんだ。最初からおかしいと思ってたんだよ。最初から異様な雰囲気で……。
「おいおい、どうしたんだよ」
追いかけてきた友人が尋ねてくる。俺はうわ言のように呟いた。
「出た……。出たんだよ、幽霊が……。あの、婆さんが……」
すると、友人は思わず噴き出し、笑い転げてしまった。
背後からのろのろとやってきた老婆に、友人は普通に挨拶しているし、近くでよく見ると、意外と何の変哲もない普通のお婆さんだ。
「あの人はうちのアパートの大家だよ。見た目ちょっと怖いけど、幽霊どころか、当分死にそうにないくらい元気なババアだって」
何だ、怖がって損したぜ。何が幽霊が出る道だよ、怖がらせやがって。
川を見守る男
いつの頃からか、その河川敷には、初老の男が立っていた。
日差しの強いの夏の日も。
雪のちらつく冬の寒い日も。
雨で増水した時には、真っ先に役所に知らせた。
堤防は、一部決壊したが、川沿いの住民の避難が早かったため、人的被害はなかったそうだ。
川の水が、元の流れに戻るまで、初老の男は、やはり1人、見守り続けた。
今日も初老の男は、河川敷を見守り続ける。
数年前、行方不明になった妻の帰りを待つかのように。
携帯電話
携帯電話が鳴った。
彼女と以前お揃いで買ったこの携帯電話。
真夜中の1時。
震える声で彼女はこう言った。
「あなた1人で○○トンネルに来て」
そのトンネルは現在封鎖されていて
誰も近づく事のないトンネルだ。
不思議に思いながらも僕は車を走らせた。
1時間程で僕はそのトンネルの前に車を停めた。
車を降りて彼女の名前を叫んだ。
すると暗いトンネルの中から
彼女が僕を呼ぶ声が聞こえた。
トンネルの中は真っ暗だが、
恐る恐る僕はトンネルの中へと入った。
僕は携帯を取りだし
電波が入っているのを確認して
彼女に電話をかけた。
ーお客様がおかけになった電話は電波の届かない場所におられるか電源が入っていない為かかりませんー
ーお客様がおかけになった電話は電波の届かない場所におられるか電源が入っていない為かかりませんー
お客様がおかけになった電話は電波の届かない場所におられるか電源が入っていない為かかりません
彼女の声が聞こえた。
僕は悔やんだ。一度限りの過ちを。
この後に、なあ父さん
「いやー昨日は大変だったよ」
「どうしたんだ?」
「残業が終わらなくて夜遅くまで仕事してたんだけど、そしたら終電が終わっちゃって最悪だったよ」
「で、しかたないからタクシー捕まえて帰ろうとしたら、変なガキに付き纏われちゃってさ」
「変なガキ?」
「何か知らんけど小さな声で『この後に、なあ父さん』って何度も言いながら近づいてくるんだよ」
「あまりにも気持ち悪かったもんだから、『俺は父さんじゃねえ!あっちいけ!』って叫んだら、どっか行っちまったけど」
「ふーん、確かに変だな」
「だろ?・・・おっと、もうこんな時間か。悪いそろそろ仕事に戻るから。じゃあな」
「おう、またな」
この言葉を最後に、友人は音信不通となった
数日後、友人は自宅アパートで首吊って自殺したと聞かされた
葬式の帰り道、僕は彼の最後の言葉が頭から離れなかった
(・・・あの時は聞き流してしまったが、終電も終わるような夜中に何で子供が?)
(それに、『この後に、なあ父さん』って一体・・・?)
「・・・・と・・に・・・・・・・・・・・・・と・・・・・ん」ぺた・・・
「え?」
「こ・・・・・・に・・・・・・・・・・あ・・と・・さ・・ん」ぺた・・・ぺた・・・
(こんな夜中に子供?もしかして!?)
「お前、何者だ!?」
「こ・・あ・・と・・に・・・な・・あ・・と・・さ・・ん」ぺた・・・ぺた・・・
「こ・・あ・・と・・に・・・な・・あ・・と・・さ・・ん」ぺた・・・ぺた・・・
「おい!答えろよ!」
「・・・・・・・・・」すぅ
「き、消えた!?」
こあとになあとさん?
彼が生まれた日
彼があの世界に生まれた日…
すなわち誕生日に
わたしは花束を彼に送った。
彼は喜ぶだろうか。
すると彼はニコリと微笑み
私を抱きしめた。
私の誕生日は
彼の誕生日の次の日だ。
天国と地獄
私は死んだ。
気がつくと何もない白い部屋にいた。
壁に書いてある説明を見ると
①ここは天国と地獄と現世の狭間の世界である。
②しばらく待っていれば、それぞれがどこに行くか壁に表示され、その後に自動的に送られるので待機すること。
③ここで死んでしまうと魂が消滅してしまうので、どこへ行くことになっても自暴自棄になって死んだりしないこと。
と書いてあった。
部屋には私の他にAという男性がいた。
Aは地獄から来たと言った。
ささやかな楽しみすら奪われ、長い間全身を縛りつけられて身動き一つ取れない状況だったらしく、もう2度とあんな思いはしたくないと呟いた。
地獄というのは厳しい痛みを与えられる場所と思っていたが、なるほどそんな地獄もあるのかと変に感心した。
間違ってもそんなところには行きたくない。
自慢ではないが私の素行はよい方だったので、最悪でも現世に転生ぐらいはできると思いたい。
Aは地獄で罪を浄化し、現世に復帰するのか、はたまた天国に招待されるのかと漠然と考えていると、私の身の上を語る前に、壁にそれぞれの行き先が表示された。
私:天国
A:地獄
私は、あれ?
と思って目をこすり覗き込んだ。
それがいけなかった。
私とAの魂は消滅した。
連絡の付かない彼女
数週間前から連絡の付かない彼女の家を訪れてみた
母親が出迎えてくれ、彼女の部屋にあげてもらった
前に来たときとは少し部屋の家具の配置が変わっているようだった
あんなに大きいポスターは確か貼っていなかったと思う
この強めのラベンダーの香り 彼女はラベンダーの匂いが好きだっただろうか
・・・・?
パソコンが休止状態のようだ
メールソフトが立ち上げられている
送信画面には俺のアドレスがある
本文には
「かちとなのいかい らのちちとちみみみに のらすらとちすいすな のなすなかかいすな」
・・・・・なんのことだかさっぱりわからない
部屋の外から声が聞こえる 彼女の母親が夕飯を食べないかと誘ってきているようだ
せっかくだから食べていくかな
廊下の鏡
俺が昔通ってた小学校は少し田舎にあり、 各学年に一クラスしかないような小さめの学校だった。
そこでは当時「廊下の鏡」って噂が流れてた。
夜中の学校の廊下の真ん中に現れる巨大な鏡。
それを見た者は死んでしまう。
といったありがちな感じのものだった。
3年生のホラー好きだった俺はその噂を聞き、
友達を二人誘って早速次の晩親に黙って学校に行った。
鏡はすぐに見つけられた。
俺たちの教室にたどり着く手前で廊下を塞いでいたのだ。
ちょうど廊下の中央に位置している。
鏡には当然自分の姿が映っていた。
俺「噂は本当だったんだな!」
友達は返事をせず、真っ青な顔をして少し震えていた。
何が怖いんだか。ただの鏡じゃねーか。
と思いつつ鏡をよく見てみた。
鏡には教室の横に置いてある黒板消しクリーナーや、
教室の扉の上に付いている3-1と書かれたプレート、
天井からぶら下がっている電灯などが映っている。
そこで俺はやっと気付いた。
鏡には、友達二人の姿が映っていなかったのだ。
俺は友達を置いて家まで一度も振り返らずに走り切った。
翌日、3-1の教室の側で二人の児童の遺体が発見された。
俺はすぐに転校した。
霊感
Aは否定してるが実は霊が見える事を俺は知っている。
この前一緒に駅前を歩いていたら、反対側の踏切の前に老婆を背負ってる男がいた。
じっと俺たちを見ている。
踏切を渡ろうとした時、Aがぽつりとこう言った。
「無視しろ。こいつは悪霊だ。」
男は頷いた。
潔癖症のお姉ちゃん
姉は筋金入りの潔癖症だ。
いつも部屋をピカピカにしてないと気がすまない。
私はというと、どちらかというとズボラな方で、ゴミが散らかっててもあまり気にはならない性格だ。
だから同じ部屋を使ってる私たちは、なんとなくぎこちない感じだった。
ある日、業を煮やした姉はついに切れた。
「あんたいい加減にしてよ!毎日毎日部屋を散らかして!片付けてるこっちの身にもなってよ!どうせわざと散らかして片付けてる私をみてほくそえんでるんでしょ?もうあんたみたいな薄汚れた人間なんて真っ平よ!」
そういって出て行ってしまった。
ものすごい剣幕だったので「なによあれ・・・」と思いつつも、
私も少し反省して、これからは少しづつでも整理整頓できる女になろう!と決心し、
とりあえず今散らかっている部屋を掃除し始めた。
30分後・・・
部屋の隅から隅までゴミ一つない光景がそこにあった。
我ながら感嘆の溜息を漏らし、私だってやれば出来る!という自信がついた。
そこへ姉が帰ってきた。
どうやらゴミ袋を買いに行っていたらしい、
それにしても随分と大きなゴミ袋だ。
私は
「見てお姉ちゃん、あたし頑張ってこんなに綺麗にしたのよ!だからそれも必要ないし。
あたしだってやればできるんだから!」と息巻いた。
姉は「そうね」といいつつも、ゴミ袋を一つだけ取り出した。
遭難者
私は世界中を船で旅している。
有名な危険海域を航行中、船が難破し私は暗い海に放り出された。
島に流れ着き、どうにか助かったが、一体どうなってしまうのか。
何かないかと探すため歩き始めると遠目に看板のようなものを発見。
近づいてみると、文字が書いてある。
「危険」「罠あり」
目を凝らして見ると、看板の近くに錆びついたトラバサミが設置してある。
看板を頼りに、罠を避け慎重に進む。
途中、突然蛇が現れて飛び退いたが、よくよく見れば風に吹かれたツタだった。
一本だけ場違いに転がっている。
降り積もった落ち葉の上にちょこんと。
さらに進むと小屋を発見した。
小屋の隣には棒切れがいくつも突き刺さっている。
中には一人の痩せこけた男が座っていた。
男はこちらを見て驚いたような顔で呆けている。
だがその瞳は輝いていた。
私は男に語りかけた。
「あなたも遭難者ですか?」
男はそうだと答えた。
男にいくつか質問してみたが、すぐに後悔した。
この島には他に誰もおらず、動物や虫さえ見たことがない。
生息していないと言う。
食料は底をついたし、植物も食べつくしたと答えたからだ。
今度は男が私に語りかけてきた。
ここに来るまでに何かなかったか? と言った。
「何もありませんでしたし、何も持っていません」
私がそう答えると男はそうか、残念だとつぶやいてうなだれた。
男の手には湿り気のある泥がついていた。さっきの罠は彼が仕掛けたのか。
獲物がかかるのを期待していたに違いない。
男はこちらをじっと見ていた。
私に向けられた視線は熱く、その瞳は輝いていた。
私はもう一つ質問した。
「どれくらいここにいるのです?」
男はもう忘れてしまったと答えた。
家族を消して
少女のところにお星さまが降り立ちました。
「なんでも一つ願いをかなえてあげよう」
お星さまはいいました。
少女は泣いていました。
「家族を消してちょうだい!あんな家族、まっぴらよ!」
次の日、少女が目を覚まして一階へおりると、いつものようにおかあさんと
おとうさんとおにいちゃんがいました。
少女は後悔しました。
その夜、再びお星さまは少女の目の前にあらわれました。
「気に入ってもらえたかな」
少女はいいました。
「昨日のおねがいをとりけしてちょうだい」
お星さまはいいました。
「一度かなえたおねがいはとりけせないよ」
少女は泣きました。
かなしんでくれるかい?
一人の女の子がいた。
性格は明るく、小学校ではたくさんの友達に囲まれていた。
また、女の子は大のおじいちゃん子で、おじいちゃんも女の子の事を本当に可愛がった。
しかし、おじいちゃんは今は入院しており、余命は長くなかった。
医師がもう残りわずかの命である事を伝え、女の子は両親に連れられ病院に行った。
病室で女の子の両親はおじいちゃんと話した後、医師の説明を受けに病室を出て行った。
病室には女の子とおじいちゃんの二人。
女の子はおじいちゃんに、学校の事や最近楽しかった事などいろいろな事を話した。
しかし、途中で女の子は泣きながら
「おじいちゃんいなくなるの?」
と聞いた。するとおじいちゃんは
「おじいちゃんが死んだら、お父さんとお母さんと一緒にかなしんでくれるかい?」
と言った。女の子は
「うん……でも死んじゃいやだよ」
とつぶやいた。
その後、女の子は家に帰ることになり、その次の日おじいちゃんは帰らぬ人となった。
女の子はその日、わんわん泣いた……。
一か月後、ある記事が新聞の隅に載った。
一部抜粋すると
「一家心中、動機は全くの不明。女の子の名前は斉藤加奈ちゃん」
怪しい男
私は仕事ですごく疲れ自分のマンションに帰ってきた。
高い階に住んでいるのでエレベーターに乗ろうとしたらすでに男が乗っていた。
男は帽子を深く被り顔を見せないようにして立っている。
「気持ち悪いなぁ」と思ったが仕方がないので軽く挨拶をして乗った。
男は返事もせずただじっとうつむいたままだった。
男は途中でエレベーターを降りた。降りる時に肩がぶつかった。
一応私は「あ、すいません」と謝ったが、
その男は無視してまたさっきのように顔を見せないよううつむいたまま降りていった。
自分の部屋に帰り、少し落ち着いたところで何気なく男とぶつかったところを見てみると、結構派手に血がついていた。
「うわぁー、なんなんだ。気持ち悪い」と思ったがさほど気にせずにいた。
それから何日か後、突然部屋のインターホンが鳴った。
『ピンポーン』「誰だろう。」とドアの覗き穴から見てみると警官が立っており、
「すいません、実はこのマンションで何日か前に殺人事件があったのですが、
あやしい人物などを目撃されませんでしたか?」
と聞いてきた。
「あ、あの人のことかな」と思ったが、その時見ていたドラマがちょうどいいところだったし、仮に「見た」とでも言おうものなら詳しく聞かれてかなりの時間を割かれてしまうし、大変だと思ったのでドア越しに「いいえ、見ていません」と言うと、何事もなく警官は帰っていった。
それから次の日、テレビを見ていたらニュースである殺人事件のことを報道していた。
場所はこのマンション。あの変な男とエレベーターに乗り合わせた日だ。
「やっぱりあの日なにかあったんだ」もう犯人は捕まったらしい。
そのあとテレビに犯人の顔写真が映された。
あの警官の顔だった。
三つ目の願い
あるところに、とても物知りの若者がいた。ある男が彼に質問した。
「なあ、悪魔を呼び出せば3つの願いをかなえてくれるんだろう?」
「そうらしいな」
「もしあんたが悪魔を呼んだら、どんな願い事をする?」
「そうだな、一つ目は『俺が健康なうちに残り二つのの願いをかなえてくれ』だ」
「なるほど、考えたな。じゃあ二つ目は?」
「俺が若いうちに最後の願いをかなえてくれ、だよ」
「え?じゃあ三つ目の願いは何なんだ」
「それがなあ・・・実はまだ決めていないんだよ」
そのとき、どこからともなく恐ろしげな声が聞こえてきた。
『早く最後の願いを言ってくれ!いったい何百年待たせたら気が済むんだ!』
最期の修学旅行
その日僕は同窓会に行きました
みんなのムードメーカーのA
頭がよくてわからない問題を教えてくれたB
クラスのマドンナでみんなに憧れられてたC
僕はまたこの愉快なメンバーと騒げることに幸せを感じました
わいわいがやがやと思い出を語っているうちについに最期の修学旅行の話になりました
飛行機の中すごかったよな? だってファーストクラスだぜwww
そんな事を話しているといきなり空気が変わりました
なんだと思ってみてみると木曽が・・・木曽?木曽がなぜここに
さっきまで馬鹿騒ぎしていたAもBもCもクラスの皆もそして私もおびえました
木曽は一人ひとりの席の前に行き、水をかけて回っています
木曽が私の前に来たとき思わず叫んでしまいました
「お前はあのときいなかった お前はこの世にいないはずだ」
香水の匂い
いや〜、駅はいっぱい人が来るからさまざまな人が便所を利用するもんだw
ある日、背の高い女性が入ってきて来たんだ。
そりゃまた香水の匂いがきつくてねw
個室からでた後、鏡見て、念入りに化粧して顔を直してたの。
しばらくしたら、若い子が便所から出たのと続いて彼女も出て行ったんだけどね。
それから翌日、その女が紙袋を持って、また異常なほどの
香水の匂いをぷんぷんさせてやってきて個室に入っていったの。
便所中が香水の匂いするぐらい充満してた。
少したっては、ゴゴゴゴ、
また少したってはゴゴゴゴ、
流す音がすごいんだよ。
で、2時間ぐらいは個室にいて、便所の外に出たと思ったら、また入って来て同じことを繰り返す。
ね、変でしょ?
まぁ、私は彼女の事、知ってるんだけどねぇ〜
優しいお姉ちゃん
私は13才の中学生
三つ上のお姉ちゃんとは部屋を共用していてとても仲良し
一つしかないベッドを私に譲ってくれるとても優しいお姉ちゃん
今日もいつものように寝る前に二人で仲良くトランプしたあと二人同時に就寝
私はベッド、お姉ちゃんは床にひいた布団
わたしは30分も経たないうちに眠りについた。
何時間経ったあとのことだったのだろうか
「ねぇ、起きて」 寝ぼけ半分で目をあけるとおねえちゃんが小声で囁いている。
どうやら寝付けないらしく、一緒に散歩に行かないかと言っている。
私は眠かったのもあり「一人で行ってきなよ」と冷たく押し返したが、
やけにしつこいお姉ちゃん。
終いには乗り気でない私に郷を煮やしたのか私の手を掴み靴も履かず外に引っ張り出された。
「イタイ!」
私の叫びも耳に入らないのか私の手を強く掴んだまま何も言わずただ引っ張る。
「ねぇ!どうしたの?!」
お姉ちゃんは黙っている。よく見ると手は小刻みに震えていた。
家からしばらく離れたところでお姉ちゃんも少し落ち着いてきたのか、掴んだ手が少し緩んだのを感じ
もう一度問いただしてみた。
「何があったの??」
お姉ちゃんは唇を震わせ言った
「やっぱりあんた気づいてなかったのね…」
受話器
最近なにかがついて来てる感じがするんだよなぁ。
今日なんて家の電話の受話器が外れて置かれてたんだよ、俺一人暮らしなのにマジ怖いって。
そのとき酔っていたから何となく受話器取ってみたの。
(しーん・・・)まぁそうだよな 笑
そんで現在はお笑い番組みながら一人酒ー、最高だ。
ん・・・?
おい、やべえじゃねぇか・・・。
ウカヤヘテギン
ある夫婦に5歳になる娘がいた。
夏休みのある日、朝娘が起きてきたら変なことを言った。
「パパ、ママ、ウカヤヘテギン。パパ、ママ、ウカヤヘテギン。」
両親はなんのことかわからず、娘に聞いてみたが娘は泣き叫ぶだけで、やっぱりなんのことかわからなかった。
そんなことが数日続き、流石に夫婦も気味が悪くなり、霊媒師に見てもらおうと、娘の声を録音した。
録音した次の日の朝、娘が起きてくると、
「エニソヌレチキエザン。エニソヌレチキエザン。」
と、いつもと違う言葉を言った。
妻はその声も録音した。
次の日、娘が急死した。
葬儀も終わり、やっと落ち着いた夫婦は
「このテープもあの娘の最期の形見になっちゃったわね。」
と、テープを再生した。
懐かしい娘の声がそこにはあった。
もう一度、聴こうとした夫婦は急いで家から逃げ出した。
エレベーターの少女
数年前の話。
とあるマンションのエレベーターが何故か動かなくなって、管理側もそれに気付かず中にいる男と少女が閉じ込められるっていう事件があった。
閉じ込められた状態で5日間過ごしたんだけど、ついには耐えきれなくなって無理やりドアから脱出しようとしたんだって。
当然少女もたすけなきゃならないから少女をおぶって出ようとしたらしいんだけど、途中で少女が落ちそうになって、男が少女の腕を掴もうとしてそのまま落ちました。
で、エレベーターが復旧して、中にしばらく生活していたような跡があったから警察が調べてみたら、エレベーターの一番下ってか底で男が重体の姿で発見され、保護されたんだけど、その横には白骨化した少女の遺体があったんだって
男は生きてたのに、少女だけ白骨化してたんだってさ。
男が少女を食べたりしたわけじゃなくて。
閉じ込められた時の監視カメラの映像には男しか映ってなかったらしいけど
銀行強盗
昼前、銀行に金引き出しに行ったんだ
で、自動ドアの前まで来ると、なんか中の様子が変なの
受付の奴らがさ、カウンターからひょっこりと頭だけ出してて
じっとこっちの様子を見てるのね
「こっち見んなw」って思ったね
微動だにせず、こっちみてるから気味悪くなって
入るのは止めて、近くのATM使って金引き出したんだ
夕方、帰宅する時にまた銀行の前通ったんだが大変な事になってた
パトカーや救急車が何台も止まっててすごい騒ぎ
報道陣や野次馬もわんさかいて、銀行の入り口にブルーシートかかってた
近くの人に聞くと犯人はどうやら韓国人か中国人らしいって
まだ一人捕まってないそうな・・・怖いねぇ~
家族全員でドライブ
私は両親と妹の四人家族だ。
ある日家族全員でドライブに行った。
私が運転していた。
山道と車で走らせていると、長いカーブにさしかかった。
スピードを緩め曲がっていると後ろから車が猛スピードでやってきた。
キキィードーン
その車は後ろからぶつかってきて、私たちの車は崖に落ちた。
私は奇跡的に助かったが妹と母は残念ながら亡くなった。
私たちの車にぶつかってきた車はそのまま逃走したらしい
しかし父だけは未だに行方不明。絶対に探しだしてほしい。
家族のために…
手紙
はぁ…はぁ…
助けて…
後ろから奴が追ってくる。
このままじゃ…
肩を掴まれた!
「はっ!」
…夢か。
ふと机の上に手紙があるのを気付いた。
なになに…?
┏━━━━━━━━━┓
┃の ┃
┃なさぬねの ┃
┃や ゆ ┃
┃ルカキクケコサシスセソタチルツテ ┃
┗━━━━━━━━━┛
なんだこれ?
せっかくの休みなのになー
もう一回ねよw
ドラクエ1
もう昔の話だが、ガキの頃はいつも親友のAとお喋りしながら学校から帰っていた。
俺「なぁ来週テストだろ?明日一緒に勉強しようぜ」
A「わりぃ、明日はドラクエ1の発売日だから学校サボって買いに行くわw」
俺「お前毎日徹夜でゲームばっかやってて授業中も殆ど寝てるクセに、成績いいよな」
A「・・・俺、実は未来予知能力があってさ。テスト内容分かるからいい点取れるんだ・・・」
俺「はぁ?wそんな能力あるんなら俺にくれよ、競馬当てまくって金稼ぐわー」
A「・・・バカ、冗談だよw」
俺「つまんねー」
次のテストで、Aは満点を取った。今思えばそれは当たり前の事だったのだ。
ベッドの下
中学生の頃、友達の家に皆で集まって試験勉強をしていた時の頃。
仲間内ではその子だけ自室+ベッドで寝ていて、うらやましいなーという会話から、都市伝説の、鎌を持ったおじさんがベッドの下に潜んでいる話になった。
その話を聞いて、友達は
「そんなのいるわけねーじゃんw」
と言ったので、皆で一斉にベッドの下を覗くと、そこには何も無かった。
つきあたりの壁まで、埃の玉一つ落ちていなかった。
彼は頭を抱えて絶叫した。
廃墟の壁
俺が小学生の頃の話。
俺が住んでいた町に廃墟があった。
2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。
ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、
地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。
ある日俺は、友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。
まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。
そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。
友人と近づいて確認してみると、扉の前に
「わたしは このさきの へやに いるよ」
と書いてあった。
俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。
歩いて行くと分かれ道に突き当たって、壁に
「わたしは ひだり に いるよ」
と書いてあった。
少し怖くなったけれど、俺と友人はそのまま左に進むことにした。
すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に
「あたまは ひだり からだは みぎ」
と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。
でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。
部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に
「わたしの からだは このしたにいるよ」
と書いてあった。
下を見ると
「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」
俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。
それからはもう、その場所には近づいていない。
布団
わたしね、一人暮らししてるの。
だから節約のために
暖房器具は使わないんだー。
そのせいか、外も寒いけど、
家の中はもっと寒い気がする(笑)
今日も帰ってきて速攻布団に入った。
ふわぁ、あったかぁい(*^^*)
やっぱ冬は布団だよね。
私は肥満児だった
私は肥満児だった。
就寝前には「病気になっても何でもいいから痩せますように…」と、
悪魔にお祈りをしてから寝るのが習慣だった。
願いが叶って、私は糖尿病になった。
治療を一切せず、好きな物を好きなだけ食べたり飲んだりした。
あれから13年…
とうとう25kg減、41kgになった。
そして明日には、更に3kg減る。
夢にまで見た30kgだ。
だけど私は、もう夢しか見る事が出来ない。
渋滞
ああ、暑い。
前も後ろも右隣も、動かない車で景色が塞がれている。
もう夕方だろうか、燃えるような夕陽が差し込んでくる。
車内に閉じ込められてから、1時間は経つだろう。
ラジオを聴いていると、どうもこの辺りで車数台を巻き込む大きな事故があったらしい。
死人も出たみたいだが、その辺りの情報は隣りの車の男がやけに詳しかった。
携帯しているペットボトルから麦茶を飲む俺に、同じく隣で立ち往生している男が話しかけてきた。
・・・なあ、ひどい汗だな。
今日は暑いのに、ツイてねぇな。
黙って暑さに耐えているよりは、誰かと話しているほうが気も紛れるだろう。
俺が事故の話題を振ると、その様子をまるで見ていたように事細かに語ってきた。
・・・首がさ、取れかけてたンだってよ。
こうボキっと。
そうして天を仰ぐようにがくんと頭を倒してみせた。
どうやら玉突き事故を起こした車の持ち主のことらしい。
俺はまた、麦茶を飲んだ。
汗が噴きでる。暑さのせいか?
適当に相槌を返しながら、俺は体にまとわりつくTシャツを引っ張っていた。
ふいに男のふざけた表情が、喜びの顔に変わる。
・・・じゃ、お先に。
隣の車線がゆるゆると動き出し、坂道を登り始めた。
ああ、ここは坂道だったろうか。
俺の車線はまだか?
いくら飲んでも飲み足りない。
妙に汗がベタついて嫌だ。
着信音
この前、ホンモノの交通事故に遭遇しちゃったよー!!(泣)
地元の横断歩道で、そんなに大きくない道のわりには交通量の激しいトコ。前から事故も多かったみたいで、同級生から悲惨な目撃談とかきいてた場所です……。
事故にあったのは結構若い?男性。一緒に信号変わるのを待ってる時にチラッと見ただけだから、確証はないけどたぶんそんな感じの人。
若い?って、ハテナつけたのはその人が杖持ってたから。でもお年寄りじゃなさそうだったからなあ。脚でも悪かったのかなあ。
ボーッと信号待ってたら、私の携帯電話がいきなり鳴り出したんだ。ピーコンピーコンみたいな電子音がすごい音で鳴っちゃったから、ちょっと恥ずかしくて、あわてて携帯出そうとしたんだよ。
でもストラップが服に引っかかっちゃっててなかなか取れないから焦ってモゾモゾして、やっと電話を取り出したら非通知。なんだよー誰だよーとか思って携帯をしまおうとしたんだ。
そしたら、いきなりブレーキの音と鈍い音。
えッて思って携帯から視線外したら、血のついたサングラスが割れて足もとに飛んできてたんだよ(泣)
で、案の定、杖もってた男の人が数メートル先で血まみれになって倒れた……。トラックの運転手さんも「どうして急に飛び出してきたんだ!」って怒鳴ってて……。
なんなのコレ?自殺?
すごくショックな出来事でした。
[insert-AppLixir]
見覚えのない人間
終電が過ぎてしまって困っていた。
「あぁ、どうしよう」そんなことを何度も呟いていた。
ふと気づくと、目の前に黒いスーツを着た男が立っていた。
その男は俺と目が合うと驚いた表情をして俺にこう言った。
「お前さん、この前の・・・」
俺は考えた。
見覚えがない人間にそんなこと言われても。
10秒間の沈黙があった。
何故か俺はただならぬ危機感を感じていた。
「お前さん、この前の」
男が再びその言葉を口にしたとき、俺は気づいてしまった。
俺はその場を駆け出した。必死に走った。
もう大丈夫だろうと思って後ろを振り向くと男の姿はなかった。
俺は呟いた。
「あぁ、どうしよう」
数日後、俺がその男に殺されたのは言うまでもない。
すげー怖い車
今日すげー怖い車見た。
全身スモークの黒バンで真夜中なのにライト消して軽自動車のあおってんの
しかも当たるか当たらないかの距離だから当然、軽の人も気付いてて結構飛ばしてたってか逃げてたww
暗かったけど軽のバックミラーから見える顔は女の人っぽかったかな?
とにかく必死で逃げてて最後は警察署に逃げ込んだみたいだったけど
大丈夫だったんだろうか…
娘
「貴方…浮気してるのね…」
晩酌にビールを呑んでいる時に妻から発せられた言葉に俺は驚いた。
何故なら、その言葉は事実だからだ。
しかし、俺は妻が休日出勤など絶対に帰ってこない時にしか浮気相手を呼んでいないし、携帯・パソコンには一切証拠を残していない。
何故分かったのかが分からない。
俺「…スマナイ…本当に君には悪いことをしたと思っている。…だが、どうして気付いたんだ?」
浮気相手は、たまたまネットで知り合った女だし妻が浮気相手と知り合いというのもないはずだ。
妻「娘に教えてもらったのよ」
俺「…!そんな…!」
それこそあり得ない話だ。
妻「…本当よ。ねぇ貴方、私達のたった一人の娘に悪いと思わないの?父親としてきちんと話さなくちゃならないんじゃないかしら?」
俺「……そうだな。話してくるよ、娘にも君にも本当に悪いことをしたと思っているよ。スマナイ。」
妻「…」
ガチャ…
扉を開けると笑顔の娘が出迎えてくれた。
その笑顔に罪悪感がこみ上げ目も合わせられず、項垂れたまま娘へと話しかける。
娘「…」
俺「…母さんから話は聞いたよ…、最低な父さんでゴメンな。
…母さん、すごく落ち込んでたよ。
当たり前…だよな。
父さんが全部悪いんだから…。
でも、お前にも母さんにも今ここで誓うよ。
浮気相手とは、もう会わない。
お前や母さんを悲しませることは、もう二度としない。
父さんを許してくれるか…?」
娘「…」
恐る恐る顔をあげると、先ほどと同じ笑顔の娘がいた。
心なしかさっきより柔らかい笑顔に見える。
許して…くれたのか?
ホッとため息をつき、立ち上がろうとした時、娘の笑顔の下にキラリと光るモノを見つけた。
俺「?なんだ?…」
そう呟いた瞬間、背後から声がした。
「そんなことで本当に許されると思ったの?」
グサッ
紅く染まる視界の中、光っていたモノの正体が分かった。
そうか…、だから分かったのか…
…ガチャン
夏休み
今日は父さんが帰ってくる日だ。
父さんは船乗りで家にあまりいないから、帰ってくるときはすごくうれしい。
にこにこ顔の父さんを久しぶりに見ると、僕も弟もつられてにこにこ笑ってしまう。
母さんもとても楽しそうで、父さんのいる間はテーブルにごちそうがいっぱい並ぶ。
お休みが終わるころ、父さんは僕と弟をかわるがわる抱っこすると、「大きくなるんだぞ!」と言って、また船の旅に出る。
僕も弟も、父さんに会えるのがとても楽しみなんだ。
哀しい知らせが入った。
父さんの乗っていた船が沈んで、父さんは二度と家に帰れなくなったという。
僕と弟は泣いた。
父さんがいない間だけだから、我慢できたのに。
最悪なことに、今日から僕らは夏休みだ。
僕と弟は、もう秋を迎えることはできないだろう。
祖母の日記
祖母が亡くなった、不可解な死因。
警察が祖母の日記を発見し、
事件と関係あるのかと言っている。
これが俗に言う暗号か?
少なくとも正常な人が書いたとは思えない。
「井戸から血が六滴小さく八滴が大きく二滴が黒い。
家宝を盗る物公平を察すると言い伝えられる。
血がそこに有り飲む陽炎、絹の陽炎。」
そして下のほうに小さく
「あいうえお-五」暗号に関係があるのか?
その次の日に僕は殺された。
全然怒ってくれない
私、彼に本当に愛されてるのかずっと不安でさぁ。
昨日、夕食を作りながら、
「浮気した」って嘘をついたんだけど、
全然怒ってくれないの。
なんかイラッとして手元にあるもの投げつけちゃったんだけど、
怒るどころか、話してもくれなくなっちゃった。
本当、私っていっつも男運悪いよね。
まぁ、学習能力が無いだけかもw
空いてる店
A「はー…やっと座れたぁ!」
B「それにしても新春バーゲンとはいえ買いすぎちゃったね(笑)」
A「本当にね(笑)でも、ここのお店、椅子の下が荷物入れになってるなんて便利ねぇ☆」
B「うんうん、助かった!しかも、ちょっと外れにあるから空いてるし♪」
A「いいことだらけね☆よし!何食べようか?」
んぎゃあんぎゃあ
AB「!?」
突然店内に赤ん坊の泣き声が響いた。
しかし、
AとBしか店内にはおらず、
店員もひどくビックリした様子だ。
A「え!?何!?」
B「まさか…空いてるのはそういう理由…?」
店内にいる全員が、謎の赤ん坊の声に身をすくめていた。
ガラガラっ!
女「すいませーん、ちょっと忘れ物しちゃってぇ」
転校生
高一の夏、Aという転校生がやって来た。
彼は変わっていた。
自己紹介の時に自分の事は一切話さず、クラスメートの顔を見ながら
「家……公園……車……病院……エレベーター……」
などと意味不明な事を言い続けた。
当然、教室の空気は最悪…そこでムードメーカーのK美が手鏡を持ちながら
「あたしと付き合ってみない?アンタの運命を変えて差し上げてよ?」
教室はドッと笑いに包まれた。しかし、Aは
「僕ですら変えられない運命をお前ごときが…」
せっかくの良い雰囲気をつまらない皮肉でねじ伏せた。
Aはふと窓の方に目を向けた。すると急に様子がおかしくなり震えだした。
「む、向こうの人達は?一体…」
「B棟のこと?あそこいるのは全員二年だけど、それがどうしたの?」
「飛行機………飛行機……飛行機…飛行機飛行機飛行機飛行機飛行機飛行機…
ヴああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
Aの急変にみんな戸惑った。
K美は持っていた手鏡をAに投げつけて
「いい加減にしてよ!あんたマジなんなのよ!」
それでもAは、ただうずくまり震え続けていた。そして一言
「学校…」
一週間後、Aは学校の踊場から足を滑らせて死んでしまった。
家族を消して
少女のところにお星さまが降り立ちました。
「なんでも一つ願いをかなえてあげよう」
お星さまはいいました。
少女は泣いていました。
「家族を消してちょうだい!あんな家族、まっぴらよ!」
次の日、少女が目を覚まして一階へおりると、いつものようにおかあさんと
おとうさんとおにいちゃんがいました。
少女は後悔しました。
その夜、再びお星さまは少女の目の前にあらわれました。
「気に入ってもらえたかな」
少女はいいました。
「昨日のおねがいをとりけしてちょうだい」
お星さまはいいました。
「一度かなえたおねがいはとりけせないよ」
少女は泣きました。