山道を歩く夫婦

事業に失敗して多額の借金を抱えたAと、

病気で余命いくばくも無いその妻B子。
2人は、幼い子供たちを知人に預けて、

夕暮れ時に人気の無い山道を歩いていた。
「せっかくだからムービーを撮りながら歩こう。」

Aはときどきカメラを回した。
狭い道路わきが崖になっている所で2人は立ち止まり、昔の話を始めた。
出会った頃の話、両親に反対されて駆け落ちした話、

子供が生まれたときの話…。
そのとき、向こうから車がやって来た。
Aはカメラを回しながら、

「これで子供たちは大丈夫だ」

と心の中でつぶやいた。
車が2人の横を通り過ぎた瞬間…。
2人はこいに落ちた。

「山道を歩く夫婦」の解説・感想

  1. 恋に落ちたではなく故意におちた