俺が子供の頃、
近所に誰も住んでいないボロボロの家があった。よく俺はその家に忍び込んで遊んでいたが、
ある日その家の中で何かの動物の死骸を発見してしまった。犬なのか、猫なのかよくわからなかった。
俺は怖くなってその家を飛び出した。
あれから数十年、
何故だか俺は当時の事をよく夢に見る。決まって例の死骸が出てくる嫌な夢だ。
そんなある日、
久しぶりに実家に帰ってきた俺は
家族で食事をした後、近所をぶらついていた。昔はよくこの公園で遊んだな、とか、
あの自販機まだ残ってんだなとか、
懐かしい思い出にふけっていた。そうして歩いている内に、
特に意識もしていなかったのに、
あの家の前に辿りついた。あの、動物の死骸が出てくる家だ。
あれから相当な月日がたったのに、
その家は当時のままだった。何故か俺は、
中に入ってみようと思った。何か確かめなければならないような気がして・・・
そして俺は家の中に入り、
あの動物の死骸を発見した。そこで急に妙に気持ちが悪くなり、
俺は家を飛び出した。あの日と同じように。
その日の夜は、
あの夢をもう見なかった。そして翌日俺は、実家をあとにした。
なにやら気分がよかった。
まるでずっと引っかかっていた何かが
外れたような気分だった。清清しい気持ちで車を走らせる。
おっと信号が赤だ、止まらなくては。
信号待ちをしている間、
ふと昨晩の事を思い出した。
ゾクリ、と嫌な汗が流れた。俺はなんてバカだったのか。
その夜からまた俺があの夢を見ることになったのは、
言うまでもないだろう。