ある日の夜、私は珍しく車ではなく電車で会社から帰宅していた。
ぼーっとしていると携帯が突如鳴った。
周りに人はいなかったので電話に出た。
友人からだ。
「もしもし!やばいよおおおおお。今多分変な人に追っかけられてる!!」
「え!!でも、私今電車だし…..警察行けば?」
「この辺に交番無いの!!!てかやばいよ、怖いよおおおお」
すごい怯えている。ただ事ではないようだ。
ふと外を見る。10時過ぎなだけあって真っ暗だ。
ふと、電車内も真っ暗になった。しかしすぐに明るくなる。
どうやらトンネルを通ったようだ。
「ね、ね、とにかくさ!!!助けてよ!!!!何とかならない!?」
「う、うん。分かった。もうすぐ私、駅に着くからさ。
駅の前のコンビニで待ってて。迎えに行くから。」
「分かった。そこに行くね。」
数分後、駅に着いた。ドアが開くと同時に改札まで走る。
左手方面の切符挿入口に切符を入れた私は、コンビニへと向かった。
しかし、友達はいない。携帯を取り出し電話をかけた。
「もしもし。まだ?今コンビニ着いたけど。」
「何言ってんの?もういるよ!!よく探して!!」
そう言われて辺りを見回すがやはりいない。トイレにいる様子もなさそう。
もしかして、まさかとは思うが…….。
友達は最近ネットで話題の「異世界」に迷い込んだのではないか。
馬鹿げた理論だ。しかし、仮に本当なら…..打つ手が無い。
私は半ば諦め気分でコンビニを出た。