やたら金回りのいい美人母娘に気に入られて、
保険代理業を営む親戚を紹介された中卒野郎です。
親戚の件は俺の考えすぎだと思う事にしました。
最近では母娘が飼っている猫が、アパートの俺の部屋に遊びに来ます。
母娘親戚だけでなく、猫様にも気に入ってもらえたようです。
先日ちょっとした出来事があったので報告させてもらいます。
夕方頃、母娘が営む店のクーラーが壊れたからと修理を頼まれたんです。
リモコンが示すエラー番号によると室外機の不調。
室外機は店の二階の壁の外に固定されています。
二階の部屋の窓から、細い足場を伝って室外機の場所まで辿りつけるようです。
夕方とはいえ薄暗くなっていたので、
母娘に促されるまま懐中電灯を借りて二階の窓を跨いで外へ。
ひととおり室外機を点検したところ、
室外機の電源ケーブルが錆びていて通電していないようでした。
おおよその原因が判ったので、一旦撤収。
再び壁を伝い、先ほど出てきた窓辺へと戻りました。
すると……
窓は閉められ、キッチリと鍵が閉められてました。
母娘は僕を置いて二人とも、さっさと一階に下りてしまったようです。
こっちはカラダ張ってるのに、あまりに冷たいじゃありませんか。
暗い中、配管を伝ってなんとか地上に降り、母娘を問い詰めました。
二人は口を揃えてこう言うのです。
「もう暗いし、蛇とかが入ってきたら怖いじゃない」
…よくわからない言い訳をされたもんです。