夜道の運動

近頃近所で殺人事件が相次いでいた。

それを知っていても私は夜道を運動のため走っていた。

走ること数分間。

遠くのほうに街灯が見え、その袂に誰かいた。

だんだんと街灯に近づく。

その人物は不気味だ。一歩も動かない。

まさか、あいつが犯人だろうか?

そう思った私は、走る速度を上げた。

その男はこちらを見ると、絶叫した。

怪訝に思ったが、私は無視を決め込んだ。

怪しい人物に関わらないようにしよう。

私は、逃げるようにして男の前を通った。

――その後、「私」を見たものはいない

「夜道の運動」の解説・感想