鏡の前に立つと

ある中学校の階段の踊り場に大きな鏡があり、
4時44分にその前に立つと死ぬという噂があった。

放課後、
美術部の女の子が3人美術室に残って絵を描いていて、
おもしろ半分に4時44分に
その鏡の前に立ってみようということになった。

で、いざ鏡の前に来ると
3人とも怖くて鏡を覗けない。

そこで3人はジャンケンをし、
負けた女の子が覗くことになった。

その負けた子は4時44分きっかりになるのを見届けて、
恐る恐る鏡の前に立った。

・・・何も起こらない。

3人はなあんだと笑いながら美術室に戻った。


時間はたち、7時過ぎ。

2人の女の子は絵を描き終え先に帰ったが、
さっき鏡を覗いた女の子だけが

「もう少しやっていく」

と言い、一人残った。

そしてようやく描き終わり、
彼女は美術室を出た。

ふとさっきの階段の踊り場の前まで来て、
腕時計を見ると、7時16分。

彼女は何気なく鏡を覗いた。

すると・・・

突然鏡の中から手が伸びてきて、
彼女を鏡の中に引きずり込んでしまった。

「鏡の前に立つと」の解説・感想