注射

その男は医師であり、
その腕と実績を買われて院長の娘との結婚が決まった。

しかし男には5歳年上の看護師がおり
彼女がいろいろ手を回してくれたので
彼はここまでこれた。

しかし、ここまで。

最近疲れたという彼女に男は

「栄養剤をうとう」

といって注射器を出した。

女は何かに感づいたのか

「変なもの入れないでよ」

といった。

「やだなぁ、何にも入れないよ」

男はにっこり笑った。

「注射」の解説・感想