ジャンプ

夏も終わりかけたある日、

私たち2人は地元で噂の心霊スポットに出かけました。

そこは現在も人が住んでいる、

一見してなんの変哲もない12階建てのマンションでした。

そこの屋上には、以前に飛び降り自殺した男の霊がいると言われていました。

そして、そのマンションの屋上から1階までジャンプしたら呪い殺される・・とも。

私も友達も霊の存在は信じていませんでした。

案の定、友達は言いました。

「呪いなんてねーよ。一緒にジャンプしようぜ。」

いつもなら二つ返事でオッケーするものの、

その日は嫌な予感がしました。

今にして思えば、それがシックスセンスというものだったのかもしれません。

僕が返事に戸惑っていると、友達は

「チッ、ヘタレが!今から呪いなんてないってところ、見せてやるよ!」

そう言うやいなや、屋上から飛んで見せました。

僕は身を乗り出して上から見守っていましたが、友達が地面に着地した瞬間、


脳みそや内臓が飛び出て、ただの赤い塊になっていました。

私は、やはり呪いというものは存在するんだ、

遊び半分で霊を呼び出してはいけないんだ、

と、いつまでも子猫のように小刻みに震えていました。

「ジャンプ」の解説・感想

  1. 12階の屋上から飛び降りたら呪いじゃなくても死ぬだろ・・・・