その日、俺は学校が終わった後、

カラオケに誘われ、帰りが遅くなっていた。

「鍵も持たずにいつまで遊んでるの?

帰るの夜中になるんだったら郵便受けに鍵入れておくから、母さんは寝ますからね」

お袋からメールが入った。

俺は母子家庭でお袋とは2人暮らしのため、特に気にされているみたいだ。

俺は気にも留めず、そのまま歌い続け、

家に着いたのは夜中の1時を越えていた。

マンション1階にある郵便受けのダイアルを合わせ、開けると部屋の鍵が入っていた。

その鍵を持ち、部屋に向かった。

鍵を開け、部屋の扉を開けると、お袋は寝たはずなのに、

なぜか明かりがついていた。

リビングに入った瞬間、俺は愕然とした。

お袋がメッタ刺しにされて、殺されていたのだ。

もっと早く帰っていれば、お袋は殺されなかったかも知れないのに…

俺は後悔した。

「鍵」の解説・感想