大規模な停電

俺は友人Aから肝試しへ行こうと誘われた。

Aは昨日、心霊スポットで有名な取り壊し予定の高層マンションに行ったらしく

俺にも是非そのスリルを味わってほしいと言うのだ。

元々、そういうものは嫌いじゃなかったので二つ返事でOKしたのだが…

心霊スポットへ向かったその夜、予期せぬ出来事が起こってしまった。

大規模な停電により、辺り一面が真っ暗になってしまったのだ。

しかもその夜は月明かりもない…まさに一寸先は闇の状態だった。

その暗闇で俺は懐中電灯を持って来なかったことに気づいて

怖くなり帰ろうとしたのだが、

「9階を見ろ!光があるぞ」

Aのその声で上を見上げると、確かに懐中電灯らしき光が2、3つ見えた。

「行こうぜ。あいつらと合流して集団になれば怖くないってw」

確かに、このまま帰ってもつまらない…

そう思った俺はAにしがみつきながらマンションの中へと入って行った。

「大規模な停電」の解説・感想