ある貧しい家庭に生まれた少年がいた。
母親は体調が優れず寝ていることが多く、
父親が家事をしていたが食事の支度だけは母親も手伝っているようだった。
体調が悪化した母親は亡くなり、父親も後を追うように自殺してしまった。
身よりの無くなった少年は親戚に引き取られた。
少年が今まで貧しい生活をしていたことを知っていた親戚は、
少しでも贅沢な暮らしをさせてやりたいと思い、豪華な玩具を買ってやると少年はとても喜んだ。
食事もできるだけ豪勢にしようと夕食にステーキを用意した。
しかし少年は大して喜ぶ様子もなくステーキを口にしたが吐き出してしまった。
何も知らない親戚はただ少年を不敏に思うだけだった。