ラッキーキャンペーン

うちのアパート、隣は男の一人暮らしのはずなんだけど、

ふと耳をすますと、ときどき女の子の声が聞こえてくるんだよ。

最初は恋人でも来てるのかと思ったけど、そんな感じでもない。

なんか、泣き声混じりに、お経みたいにずっとブツブツ言ってるの。

つ、通報したほうがいいかな?

友達もいない。もちろん、恋人もいない。

そんな寂しいおれの部屋に、巨乳で牛耳コスの美少女が訪ねてきた。

牛娘「どーもー、クダンちゃんでーす。ただ今、クダンちゃんラッキーキャンペーンってのをやってまして、あなたが見事に当選されました!」

なんだか、スパムくさいが、それは置いておいて。

おれ「で、なに。当選すると、なにか貰えるの?」

牛娘「なんでも、ひとつだけ、予言したげますよお。明日の株価だろうが、今週末の競馬の結果だろうが、お望みのままです。やったね、これで大金持ちだね!」

金か。金なんて欲しくない。

おれ「それより、友達が欲しいとか、恋人が欲しいとか、そういう願いは叶えてくれないのか?」

牛娘「いやあ、そういうのは、ちょっとクダンちゃんの能力じゃないです」

おれ「ちっ。使えねーやつだな。まあ、いいよ。じゃあ、円周率でも予言してくれ」










意味がわかると怖い話
「ラッキーキャンペーン」
の解説・考察

imi
imi

前半と後半で語り手が変わっている。

『友達もいない。もちろん、恋人もいない。』から牛娘のクダンちゃんが来た後半の語り手「おれ」。

前半の語り手(クダンちゃんが来た隣の住人)が言っている『泣き声混じりに、お経みたいにずっとブツブツ言ってるの』というのは、「おれ」の要求通りにクダンちゃんが延々と円周率を言っている様子。

あれ、予言で円周率という言い回しも変ですよね。いつか割り切れる桁数まで予言して唱え続ける羽目になったんですかね、、そりゃ泣きますよね。

普通
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「ラッキーキャンペーン」の解説・感想