『大きくなったら、たかしくんとけっこんする』
『ぼくも、大きくなったらみさきちゃんとけっこんする』
『やくそくだよー』
『うん。やくそく』
『♪~~~♪』
会社帰りの公園で、子どもたちのそんなやり取りを聞いた。
のどかだねぇ。
俺も子どもの頃、あんなこと言ってたっけ。
30年前の事だから、もう忘れちまったな。
まぁ、今は妻も子もいる一般的なサラリーマンだ。
早く帰って息子とポ○モンやるかな。この歳でポ○モンって。
公園を通り過ぎ、帰宅途中のトンネルを歩いていると、鈍い音とともに後頭部に衝撃が走った。
なっ…ん…っ…
そこで意識は無くなった。
…ここは、どこだ…?
室内のようだ。
どうして俺はここにいる…。
起き上がろうとしたが、それは叶わぬことと知る。
両手、両足が鎖でベッドらしき台に括り付けられていたからだ。
…なんだ、これは…。
声をあげようとしたが、
『あーあーあー…』
口は、こじ開けられた状態にしておく器具らしき物で固定させられている。
声は出るが、言葉が出せない…。
必死で暴れてみたが、多少ベッドが動いただけで、それ以上のことは出来なかった。
ガチャ…
部屋の奥のドアが開き、誰かが室内に入ってくる。
『あーあーあーッ!』
俺は言葉にならない声をあげる。
薄暗い部屋に入ってきたのは、女性……か…?
『わたる君、お久し振り。私だよ。覚えてる?』
そう言った女の顔を見るが、全く覚えが無い。
『もう、本当に忘れちゃったのぉ?私よ、アリス』
ありす…?アリス、アリス…。
遠い過去の記憶を手繰り寄せる。
アリス、…アリス!?
思い出した…。
子どもの頃、俺はこいつと…
アリス『アリス、一生懸命わたる君探したんだぞ』
自分のことを名前で呼ぶ仕草。
アリスだ。
こいつは、…アリスだ。
アリス『わたる君、今、結婚してるよね。子どももいるし』
『あーあーッ!』
何故こいつがそれを知っている。
子どもの頃に少し遊んだだけの関係だぞ。
何が目的だ。
アリス『わたる君、アリスと結婚してくれるって、約束したのに』
『っ!!』
……確かにした。
だがそれは子どもの時だ。
あんなの子どもの言ったことだろ。
アリス『わたる君、約束、破ったんだね…』
…アリスの口調が、変わっ、た…?
アリス『アリス、悲しいな。ね、わたる君』
『あーああッ!!』
言葉が出せない、くそっ。
アリス『約束破ったわたる君に、アリスからプレゼントだよ』
アリスは持っていた箱の蓋を開け、俺に見せてきた。
それは………。
アリス『嘘ついたから』
やめろ、やめろ、やめろ
『ああーあああーあっ!』
アリス『指も切らないとね…』
『あーーーーっ………!』
アリス『約束、破ったらこうなるって、あなたが歌ってたのよ…。』
ガチャ
さてと。
次は、あの子とあの子とあの子か。
みんな、待っててね。
アリス『んーふふふふーふん、んーふふふふふ、んーふふんふ、んーふふ♪』
アリス『指も切らないとね』
指切りげんまん 約束やっぶたら 針千本のーます ゆびきった という歌があるようにこのアリスという女は子供のとき、語り手と結婚しようねと約束していたが忘れ去られ{破られ}他の人と結婚した語り手それで、アリスは歌に書かれていた内容どおり復讐したということだ