ある大富豪は重度の金属アレルギーで食器のナイフ・フォーク・スプーンの類は全て純金を使用していた。
純金は非常に安定した物質なので唯一金属アレルギーになることもない。
しかし、知らない人にとってはいやみにしかうつらないし妬みの対象にもなる。
ある日、親戚がメイドたちの中に混じって食器の片づけを手伝っていた。
「皆様がそんなことなさらなくても・・・・」
オロオロするメイドたちに親戚達は
「いつも大叔父様がお世話になっているから」
と笑顔で食器の手入れをしていた。
終わった後メイド長がこういった。
「誰ですか?フォークなどの手入れを怠ったのは!曇っているじゃないの!」
困ったメイドの一人がこう切り出した
「それは親戚の方々が・・・・・」
メイド長が納得したようにうなづくと、スペアの食器を使うので曇ったフォークなどは一切、旦那様に使わせないようにと厳しくメイドたちに言った後
「今後、親戚の方が来ても食器に触れることは止めさせなさい!」
と厳しく皆を叱咤した。
皆、口々にこういった。
「そうだよね・・・
こんなに綺麗だった純金曇らせて、かえっていらないおせっかいなのよ!
『小さな親切大きなお世話』っていうけどこんなに汚されても困っちゃうわ」