浪人生

隣の浪人生が薬局から帰ってきた。

また大学を落ちたからリラックスしたい、と温泉の素を買ってきたそうだ。

私はあまりその事には触れたくなかったが、向こうから振って来たのでは仕方がない。

慰めの言葉の一つでもかけてやろう。

「あんまり気にしないでくださいよ、もう終わったことですから。

それより、次の日曜にでも気晴らしにパーティでもしようと思うんですよ、未練がましいのは良くないですしね。

もし暇な時間があったら是非来てください、知り合いを大勢招待しようと思っているので」

人を招くのに汚い部屋では嫌だからと、洗剤も一緒に買ってきたらしい。

次の日曜日か・・・・適当な知り合いを何人か誘ってみよう。

「浪人生」の解説・感想