千鳥足

会社の帰り道の夜七時頃、私はあの男に会った。

こちら目掛けて手を大きく振りながら近づいて来る。

私は立ち止まった。

私のすぐ目の前まで来ると、彼は立ち止まり明るく微笑んだ。

気が付くともう十時。

どうやら時間の感覚を失ってしまっていたらしい。

彼も気が付くと姿が見えない。

知らないうちに帰ってしまっていたのかな。

全然気付かなかった。

私はどうにか立ち上がり、ふらふらと千鳥足で歩きだした。

「千鳥足」の解説・感想