人見知り

私の彼はひどい人見知り。

知っている人にはむしろ強気なくらいなんだけど、

初対面の人にはレジの店員にすらおびえる始末。

ある夜そんな彼と、「出る」って噂のホテルに泊まることになりました。

他の客に怯える彼にため息をつきながら私がチェックインを済ませました。

その夜、出たんです。女の幽霊が、何人も。

幽霊たちは皆恐ろしい形相をしており、私はすっかり腰が抜けてしまいました。

ところが彼は、最初こそ驚いたものの、幽霊たちと目が合うなり

手元にあった雑誌を丸めて蠅でも払うように幽霊たちを追い払ってしまいました。

怖くないのか尋ねると、

「ただの地縛霊だろ」

ですって。


人じゃなければ平気なのね…

少し呆れながらもはじめて彼のことを頼もしく思えました。

「人見知り」の解説・感想