自販機

ある日の夕暮れ時。

学校が終わり、友人と2人で帰っているときのこと。

喋りながら歩いていたせいか、喉が乾いてしまった俺は自販機の前に立ち止まった。

友人『おごってー』

『やだよ、自分で買え』

俺は財布から120円を取出し、コイン投入口に入れようとした。

チャリーンチャリーン。

『くそ、100円落とした。しかも自販機の下に』

友人『古典的だなぁ。自販機の下に霊が居たりして』

『居るわけないだろ、霊なんて(笑)』

かがんで自販機の下に手を伸ばしたが、100円は指に触れなかった。

地面に頬が着くギリギリまで近付け、自販機の下を見た時、お互いに目が合った。

友人『100円見つかったかー』

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