帰り道

女の子は家に帰る道が嫌いだった。

帰り道にひとつ、
古いアパートがぽつんと建っている。

その2階の窓からニタニタと笑いながら女の子を見ている男がいたのだ。

女の子はそれが怖くて、
いつもアパートの前を走って通り抜けていた。

そしてある日、
また同じように女の子はその道を歩いていた。

アパートの2階にはまたあの男。

しかしいつもと様子が違う。

何か言いたげに口をパクパク動かしているのだ。

女の子はあまりにも気味が悪くて、
アパートの前にある角を曲がって遠回りして家に帰ることにした。

その日、女の子は死んでしまった。

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