崇拝

ある男が大衆が
自分のことをどう考えているか知りたいと思い、
変装して街へ出かけた。

最初にあった男に

『A(自分)をどう思うかね?』

と訪ねると小声で

『こんな街中で言うわけにはいきません』

と答えた。

男はあたりをキョロキョロ見回し、
人がいないのを確かめると
路地裏のホテルへ連れ込み、
ベッドの下をのぞき、
戸棚の中を調べてドアを閉めてからそっと耳打ちした。

『ここだけの話ですが、
わたしはとてもAを崇拝しているんです』

「崇拝」の解説・感想