お父さんがつれて行かれた

きょう、お父さんがつれて行かれました。

お父さんは白くて大きなテーブルの上によこむきにねかされ、
たすけてーというような目でぼくのほうを見ていました。

おりの中のぼくはさけぼうと思ったけど、
もちろんそんなことはできませんでした。

お父さんはぼくが見ている目のまえで、
お父さんと同じくらい大きな鉄のいたで、
ふつうに頭を切りおとされました。

かなしい目をした頭は、
すぐに近くのごみばこに捨てられました。

そのあとおなかを引き裂かれ、
おなかのなかみを引きずり出されていました。

お母さんのときと同じでした。

ぼくは泣きました。

泣けませんでした。

明日はぼくのばんみたいです…。

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