目が覚めると、俺はベッドか何かに寝かされていた。
するとどこかから声が聞こえた。
「おはよう。目が覚めてなによりだ。」
俺はその声の主に質問してみることにした。
「ここはどこですか?」
「ここは病院、君は開発中の新薬を誤って投与され、
7年もの長い眠りについていたのだ。」「なんですって!?」
「体に異常はないからすぐにでも退院できる。
君には保障金として、1000万円が支払われる。」1000万だと?
それでは失った時間を埋め合わせるのに
それはあまりにも酷ではないか。そう考えていると、声がなんだかザワザワしだした。
そして、慌てた様子で先ほどの声の主が言った。
「すまない、勘違いしていた。
君が眠ってから今までの間に、
日本では、大きな言葉の変革が有ったんだ。」「言葉の変革ですか?」
「そう。言語体系が変わり、
現在では数字の意味は全て
『君が知っている数字の10分の1』になったんだ。」「……どういうことですか?」
「つまり、1000万円というのは君の感覚で言うと、
1億円にあたるということだ。」なるほど。
言葉の大きな変革は歴史の中でも何度か有ったが、
それが眠っていた7年の間に起きたということか。しかし、1億円か……
それならこれからの人生で色々なことができそうだ。
悪くないな。
70年も寝ていた。