完璧な計画だった。
TVでは目当てのダイヤ“麗しき王女の涙”が展示され盛況な模様を報じている。
「“麗しき王女の涙”を一目見ようと大勢の人がここ、ノモセニ博物館に日毎詰めかけています。
ノモセニ博物館は、もうじき開館100万人目の入場者を記録します。
その記念行事として、“麗しき王女の涙”という数奇な伝説と謂れを持ちこれまで1度も一般公開されることがなかった世界最大級のダイヤモンドが展示されることとなり・・・」さて、そのお宝を客に紛れて頂いてしまおうというわけ。
決めた時間になると館内が一瞬真っ暗になり、監視カメラも警報の電源も切れるという仕掛けを施してある。
その隙に偽物とすり替え、入館者でごった返す博物館を人知れず去ればそれで完了。
細工は流々、あとは仕上げを御覧じろってな。
この天才的な手腕が世間に気づかれず、誰からも祝福されないのがもったいないくらいだ。
それに、ここ最近ツキまくっていた。
このツキもきっと味方をしてくれるに違いない。
そして・・・計画通り館内の明かりが消え、
暗闇の中、麗しき王女の涙を偽物とすり替え
さて、万事うまくいった。手に“麗しき王女の涙”を握りしめていたその時
まばゆいライトが一斉に点灯し俺に向かって照らされ
逆光の中、マイクを持った男が大声でこう言ってきた。「おめでとうございます!」