ある日曜日のこと、
私は日課のウォーキングをしに
早朝の河川敷へと向かった。ここは綺麗に整備された舗装路があり、
ジョギングや散歩をするには持ってこいの場所だ。その舗装路を下流へと歩いていると、
正面から誰か走ってきた。黒い長袖長ズボンのスポーツウェアに
青いスニーカーを履いた男だ。私は彼に軽い挨拶をしたが、
彼は何も返さずに横を走り抜けて行った。その後、
誰とも会わずに舗装路の下流端に着き、
折り返して上流へ向かい歩いていると、
誰かが私を追い抜いて行った。黒い長袖長ズボンのスポーツウェアに
青いスニーカーを履いた男だ。あれ、彼はさっきも上流に向かって走っていったはずじゃ……
気になった私は、
直後に私を追い抜いた白いスポーツウェアの男性を呼び止めて
この事を話した。すると男性は笑顔でこう答えた。
「彼ね、上流端まで着くと
橋を渡って対岸を下流端まで走ってるんですよ。
だからこっち岸を走る時は常に上流向きなんです。
僕はずっと彼の後ろを走ってるので、間違いないですよ」それを聞いた私はホッとし、
男性を呼び止めてしまったことを詫びた。男性は、
気にしないでください、
と手を振って再び走っていった。