随分と遅くなったなぁ…。
残業が終わってからの遅すぎる夕飯を済ませた為、
もう、日付が変わっていた。真夜中の暗い道を、チカチカと照らす光に顔を上げた。
タクシー?こんな時間に?
ああ、ここの主人も仕事で遅くなったのか。
と思ったところで、
その主人が玄関から出てきてタクシーへと乗り込んだ。主人を乗せたタクシーはすぐに出発した。
すれ違い様、タクシーの違和感に気付き、
二度見しながらタクシーを目で追った。暗い道を遠ざかっていくタクシーのランプで、
背中に冷たい汗が流れた。翌日、その家はちょっとした騒ぎになっており、
数日後には黒い人だかりができていた。「やっぱり…」
鯨幕を見ながら、無意識につぶやいていた。