これはある人から聞いた話です。
A君の通う小学校には夏休みに一学年全員で学校に寝泊まりするという行事がありました。
昼間には校庭でスイカ割りなどをして皆で楽しんで、夜は全員で体育館に布団を敷いて寝るというものでした。
昼間に目一杯遊んだ生徒たちは熟睡しているなか、A君は夜中にオシッコがしたくなり目をさましました。
しかし体育館内のトイレは古く使用禁止になっていた為、体育館から出て渡り廊下を通った先にある校庭のトイレまで行かなくてはなりません。
A君はまだ小学生ですし、夜中の校庭のトイレに行くにはさすがに怖すぎて横で寝ているB君を起こしてついて来てもらうことにしました。
しかし昼間に目一杯遊んで疲れて熟睡している為か一向に起きる気配がありません。
そうこうしてる内に漏れそうになってきたのでA君は意を決して一人でトイレに行く事にしました。
渡り廊下に電灯は点いているものの薄暗く非常に不気味な感じが漂っています。
渡り廊下の半分ぐらいまで来た所で中庭の方から何か物音が聞こえてきました。
その物音は中庭にある飼育小屋の方からしており、A君は恐る恐る近づいてみると徐々に物音がハッキリと聞こえてきました。
「バギバキッ…ブチブチッ…ムシャムシャ…ゴクリ…バギバキッ…」
暗闇に目が馴れてきた事と月明かりが飼育小屋の中を照らしA君は恐ろしいものを見てしまいました。
なんと担任の先生が飼育小屋の中にいるウサギや鶏を食い荒らしていたのです。
口の回りや服は血で真っ赤に染まっており、おぞましい程の形相で一心不乱にウサギを食いちぎっていました。
A君が恐ろしさのあまり
「うわぁ!!!!」
と声をあげると担任の先生がゆっくり振り返り、
「見たな…」
次の日の朝A君は校庭でバラバラ死体となって発見されました。
まるで誰かに食いちぎられたように…。