これは数年前に俺が田舎の実家に帰ったときの話
「ごめんごめん。うん、そう。じゃあよろしくね。」
突然帰ると電話で伝えるとお母さんはすこし慌てるような怒った口調で話してきた。
無理もない、ここ東京からはるばる北海道まで帰るのをわずか2日前に伝えるあほなんて俺くらいだろう
でもなんでいきなり帰るかって?
これはご両親に挨拶ってやつだ。
彼女をつれて帰るとなると予定を合わさなくてはならない。
故に突然できた休暇を使って帰郷しようという話になりいまさっき電話した次第だ。
飛行機の時間はあっという間に過ぎ去り、親に会うだけだというのに緊張してしまっている。
しかし緊張しているのは俺だけではなかったみたいだ
彼女はがぶがぶ水を飲んでいる。
かわいいやつだ♪
なんやかんやでタクシーを捕まえて懐かしの実家に到着すると2人は、ふうっと息をつき同時に玄関前へと足を運んだ
ピンポーン、ピンポーン
「あれ、おかしいな」
そう言ってドアを引くとどうも開きそうだ。
ゆっくりとドアを開けると次の瞬間、脳の最深部にまでこびりついてくるような臭いがし、俺と彼女は軽く立ち退いた。
しかしそんなことはしてられない。
これは腐乱臭というやつだ。
本能で事態を理