「ママー、お散歩行きたい!」
麻衣が何度も私にねだるので、仕方なく出掛けることにしました。
遊具の事故で一ヶ月前まで入院していたというのに、今ではすっかり元気なようです。
お決まりの道を一緒に回りました。
こうして歩くのは久しぶりです。
ただ一つ、いつも友達の家に寄って帰る麻衣が見向きもせずに通り過ぎてしまったのは気になりました。
「今日は○○ちゃんの家に寄らないの?」
「いい!走ろ」
突然走り出されると、追いつくのに一苦労。
手を離しそうになります。
自宅の前まで来ると、どこかのおばさんが麻衣を可愛がってくれました。
「可愛いねえ。お名前は?」
「ほら、どうしたの?お名前言って」
麻衣が名前を言っているのに、おばさんは怪訝な顔をしてどこかへ去ってしまいました。
「…麻衣、お家に入ろうか」
「うん!」
楽しい日々が続きそうです。