「ただいま…」
彼女が仕事から帰ってきた。
「…おかえり。」
帰りが遅いことにムッとしながら俺は答えた。
彼女が玄関と部屋の電気をつけると、ミケ(飼い猫)が駆け寄って出迎える。
いつものように彼女はミケの頭を優しく撫でた。
「何でこんなに遅くなったんだよ?」
「ゴメン、すぐにご飯作るからね。」
彼女はキッチンに向かい、包丁を取り出しながら誰かに電話をかけはじめた。
俺の携帯が鳴り響く。
彼女からの着信だ。
?なぜ…?
「ねぇ…どうして出ないの?」
振り返ると彼女と目があった。
彼女の瞳から目が逸らせない