几帳面な夫

テレビリモコン、眼鏡、それに煙草とライター…

そのすべてがテーブルの縦横に合わせてキチンと置かれていた。

相変わらず几帳面な夫……だがその几帳面さが最近ウザくて堪らない。

この寝顔を見てるだけで殺意を覚える程だ。

ピンポーン

チャイムが鳴り、玄関のドアを開けると、隣の旦那が回覧板を持ってやって来た。

私達は反射的にキスをした。

そう、私達はそういう関係なのである。

しかしハッと夫が居ることを思い出して、すぐに彼を突き放した。

名残惜しげに彼を見送ると、私は慌てて部屋に戻った。

夫は先程と同様、スヤスヤ寝ていた。

それはレンズ越しからでもよく分かった。

「几帳面な夫」の解説・感想

  1. 浮気の話ですね。