暗い闇

暗い暗い闇の中。

私は考える。

何故ここにいるのか。

私は私の存在意義を自問自答した。

しかし、考えずともそれは決まっているのだろう。

何週間、何ヵ月、何年もの月日が流れ、それでも私は考え続けた。

そしてようやく全てを理解した私は光を求めた。

闇を必死で掻き分ける。

服が汚れようが、そんなこと構いはしない。

ようやくたどり着いたそこは、またしても暗闇だった。

それでも動じる事はなかった。

数年間愛用していたこの服も脱ぎ捨てた。

時は満ち、闇が光へと変わった。

全てを理解した私は別に驚きはしない。

そう思っていた。

しかし、現実を目の当たりにした私は悔やんだ。

決して無駄な時を過ごした訳ではない

分かっている。

この素晴らしい光を見てしまっては、悔やまずにはいれない。

なんという残酷な現実なのだろうか。

運命を呪った。

眩しく輝く光の中。

残された時間で何をするかなど考える事もなく、私は泣いた。

声が枯れるまで悔やみ、泣き続けた。

「暗い闇」の解説・感想