No.

俺はある日突然自分の頭の上に数字が見えるようになった。

3日後、他人の頭の上にも数字が見えるようになった。

俺はNo.258413452上司はNo.21653925

俺は思った。

地位が高いほどNo.が上がるんだと…。

どうしても上司を抜きたくて仕事に専念した。

俺のNo.はどんどん上昇した。

誰にも負けたくなかった。

俺は仕事しかしなくなった。

あれから5年俺は会社を作り社長をしている。

俺のNo.はNo.6になった。

俺は今日も仕事をする。

わが社は今度カンボジアの農村部に学校を作ってあげる事業を予定している。

恵まれない子供たちへのボランティアだ。

視察に現地を訪れた。

汚い小屋に沢山の家族がひしめき合い暮らしていた。

同情の目で見ていた。

そしてある家族に俺は目を疑った。

家と呼べない場所で食事をしている家族のNo.が1・2・3・4・5だったのだ。

俺は怒り狂った。

なぜあんな奴が俺より上なんだ!!

許せない。

あんな奴等に!!

俺はその家族を近くにあった鉄パイプで殴り殺していた。

俺のNo.はNo.1になった。

翌日、会社では葬式が行われた。

「No.」の解説・感想